短い/会話文/ジャンル雑多/不定期





座り心地の良いソファからは、煌びやかなドレスがくるくると舞っているのが見える。
コアラの付き添いで観に来たからには自分も楽しもうと思ったが、どうやらじっと座っているのは性に合わないらしい。リズムにあわせて身体が揺れてしまう。
(もうすぐ幕間だ…)
それまではと、首元のタイを少し緩めながら小さく息を吐いた。

as
オペラ座の***





子ども部屋のライトが落ちる前、おもちゃたちはクローゼットの中やおもちゃ箱の中へとしまわれた。
「ん〜…今日はジンベエ!」
ふっくらとしたぬいぐるみをひとつ抱え、部屋の主人はベッドへ入る。
消されたライト、まっくらなクローゼット。穏やかな寝息だけが聞こえた。

「なぁ、もうそろそろいいんじゃないか?」
「…あぁ、大丈夫そうだ。よく眠ってる」

クローゼットの扉がそ〜っと開かれそれぞれが一斉に動き出す。なにがって?おもちゃたちさ。
ん〜〜っと伸びをしたルフィが首をまわし足首もまわす。
「ずっと同じ体勢もつれぇな〜」
「そうだな。まぁ、俺たちは仕方ないさ」
フィギュアである俺たち兄弟はあまりクローゼットやおもちゃ箱にしまわれることは少ない。机の上の一番いい所に並んで置いてくれる。これがどれだけ幸せなことか。
「なぁエース!今日は何してあそぶ!?」
ルフィはおもちゃたちを見回していまにも飛び出しすうだった。


フィギュアD兄弟





三郎

ふたつ並んだ布団
頭まで上掛けを引っ張り名前を呼んでも、返ってくる言葉はない

三郎

しん、と静まり返った部屋はいつもより広く冷たく感じる

早く、帰っておいで

君がいなきゃ、自分の顔を忘れてしまいそうなんだ





藤本獅郎
歴代最強の聖騎士
誰もがその強さに畏敬と畏怖を抱き、しかし見え隠れする幼さを残す真っ直ぐな瞳を愛し憧れた。

大それた名前だなァ
なんて微塵も思ってもないように煙草をくわえて笑う、その顔が嫌いだった


アーサーと獅郎の可能性







川藤さん川藤さん
ボクは後悔していることがあります
それはどう願ってもやり直しもなにもできません
あなたがそんなのどうってことないだろって笑い飛ばしてくれて、ボクが納得してもきっと一生心の隅で後悔し続けていくでしょう
どうしてボクは、川藤さんと同じ時代に生まれなかったのか
そればかり後悔しています
ね、どうしようもないことでしょ?
同じ時代に肩をならべて歩きたかった
あなたがいままでみてきたことの全てを知りたかった
ボクがわがままで貪欲なのは知ってますよね
あなたが生きてきた全てを共に知りたかった
あなたはきっと、これから生きていく方が長いだろって目を細めては笑ってくれるでしょうね
ボクの後悔はあなたと同じ時代に生まれなかったこと
願わくは、あなたと半田先生が出会わなければよかったのに
そんなことばかり考えてしまうんです






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