すやすやと俺の右腕を枕に猫のように身を丸くして眠るオマエ


悲しみと怒りに揺らいでた長い睫毛に縁取られた瞳


穏やかに笑う今でさえ瞳には哀しみが見える気がして

脳を痛めて
吐気がして
喉は焼けるように熱く
瞳は焦げるように霞む

苦しくて仕方ねぇ胸も
病に侵された身体も
もうすぐ迎える終焉までの俺への罰だ

数えきれない命を奪って
今度は自分の番になった

唯それだけの事


死など恐れはなかった
人が世が時代が全ての感覚を麻痺させて闘う事が何よりの快楽行為

高ぶる熱は意識を翔ばして飛び散る赤は鮮やかに世界を塗り替える

命を賭けた最高の快楽

死ぬ事は
己が弱かった
相手が強かった
そんだけの事だ

そう、そんだけの事だったのに

今は
死ぬ事も
戦に出る事も
恐くて仕方ねぇ


オマエを
置いていく事が
守ってやれねぇ事が
また泣かせちまう事が
悔しくて仕方ねぇ


オマエには
笑ってて欲しいんだ
奪うだけ奪っておいて
与える事も出来なくて


柄でもねぇけど
オマエの為なら
何でも出来る
本当に愛してんだよ



なぁ…
言わねぇことを
許してほしい

何時か俺の事なんか
忘れて構わねぇから

頼むから
どうか最期の瞬間は
微笑んでみせて


俺が長い間奪ってた
オマエの笑顔を望むなんて図々しい話だけどな


本当に本当に愛してるよ


身体は朽ちるけど
心は此処において逝くから何時迄も愛すから

オマエは
幸せになれば良い





凌統サイド

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