4部 short小説 | ナノ

ちょーだい!



「じょ〜すけっ!!!」

ぴとっと俺の腕を持って歩くのは、俺の可愛い可愛い彼女ゆき。


初めは仗助の一目惚れであったが、懸命なアピールの末に、見事両思いになったってとこである。


「どうしたゆきチャン、仗助くんにそんなに会いたかったわけ??」

「うんもちろんッ!たった数時間でも仗助不足かも〜〜〜!」

そう笑顔で仗助を見るゆき


「…っグレートな可愛さだぜゆきッッ!!!!」


仗助は自らの片腕に抱きついているゆきを更に抱きしめ返す。


「お前らラブラブなのはいいんだがよォ、ここが学校って事を忘れっちまってんじゃあねェーよなァ?」

隣で親友の億泰がジト目で見てくる。


「おー悪ぃ悪ぃ億泰、すっかり忘れてたぜ」

仗助はゆきを腕から離すものの、しっかり肩が触れ合う距離をキープしていた。


「まぁどーでもいーけどよォ、俺ちょっくら便所行ってくるわ!」

億泰はズボンに手を突っ込み、すたすたと廊下を後にする。

「おー。」

仗助はゆきと触れ合っていない手を億泰の方へとあげる。


「ねーねー仗助?」

「おー?何だァゆき。」

こてんとゆきは首を傾げる。

「(グレートだぜこいつはァ…ッッッ!!!)」


仗助はゆきのくりくりとした瞳に見つめられ、たまらなく幸せな気分になる。


「私、仗助の付けてるピアスが欲しいな…なんて…。嫌だったら全然いいんだけど…!!」

「俺のピアス…?別にいいけどよォ、欲しいんだったら新しいの買ってやるぜ???」


今月ちこっと財布の中身が寂しいが、愛するゆきの為なら惜しまねぇ。


そう仗助は思ったのだが、ゆきから返ってきた言葉は再び仗助を蕩けさせるものだった。


「仗助が付けてるからいいんじゃあないっ!…そのピアスを付けてたら、仗助がいっつも傍にいてくれてるみたいだなって思って…」

少し頬を赤く染めてゆきは言った。


「…グ、…グレートッ…。」

仗助はぽつりと呟き、再びゆきを抱きしめる。


「ピアスだけじゃあなくて、俺のモノ全部やるぜッ!!!!」

「ぜ、全部はちょっと多いかも…」

あははとゆきは笑う。


「(そーゆーちこっと天然な所も可愛いだよなァ)」


仗助くんは今日もとーっても幸せなのでした!

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「おめェらよ、まだラブラブやってんのか。ほんと飽きねぇよなァ!」

トイレから戻ってきた億泰は、未だラブラブしている2人に呆れるのでした。

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