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自分のクラスへ向かう。同じ中学からこの高校に入学した友達はいない。
まさにゼロから。

あぁ、でもやっとだ。やっとここに、烏野に来れた。見る物全てに感動する。
一々、ここが烏野の下駄箱!ここが烏野の廊下!ここが烏野の階段!ここがre・・・

ヤバイ。変な人認定されたくない!
気をつけないとゆるゆるになる頬を必死で元に戻しながら、教室に入り席に着く。
窓際から2列目。隣の席は女の子で一人で座ってる。・・・ふむ。友達ゲットするチャンスだ。
元々人見知りだけど、日向家になったらなんか大丈夫になった。血ってすげぇ。

お隣さんは芹沢雪ちゃん。
ミルクティー色の綺麗な髪を1つに束ねていて、スラリとした体系の美人さんだ。雪ちゃんも、同じ中学出身がいなくてドッキドキだったらしい。しかも中学のときはずっとサッカー部のマネージャーだったそうな!烏野のサッカー部は結構強豪で有名らしい。勿論高校でもマネージャーをやるつもりだそうな。
ふおおおおマネージャー仲間!
「私もずっとバレー部のマネージャーだったんだ!テレビでここのバレー部の春高観て、マネージャーになりたくて受験したの」
「ホント?!マネージャー仲間だね!」
本当はちょっと違うけど。すんませんです。でもバレー部に対する思いは誰よりもあるので許してね。
すっかり意気投合した私達は担任が来るまでずっと話をしていた。

入学式後のLHRにて簡単な自己紹介が行われた。
出身中学と氏名と一言を言うらしい。
この自己紹介の一言っていっつも困る。

「はい次のやつー」
ガタッ

何にしよう。世界一可愛い弟妹自慢でもする?
駄目だ顔面ゆるゆるになる。変な人認定は嫌だ。うーん・・それにしても教頭まじでヅラだった。ガン見してしまった。

「よし次〜」

吹っ飛ぶところ、絶対見てやる。ヅラに気付いた人何人いるんだろ。聞いてみたい。雪ちゃんに聞いてみよ。あっじゃなくて今は自己紹介考えなきゃ!んー・・・

「ーーーー澤村大地です。バレー部に入りたくてーーー」








え。
え、今。





声のした方に視線をやると雪ちゃんの前の席の男子生徒が立ち上がっていた。


ひょえええええ
き、気付かなかったー!!
大地さんだ!うわ、うわあああ!!
同じクラス・・・だと・・・?!
そーだよそりゃそーだ!進学クラスは2クラスしか無い!スガさんと、どっちかと同じクラスになる可能性がある!思い出すの遅過ぎィ!!

視線を外せず固まってると、座る時にぱちりと目があった。
驚いて一瞬目を瞬かせると



にこりと微笑んでくれたのだ。




ひいいいいいいい

は、破壊力抜群過ぎィィィィイイイ!!!
わかる?!可愛いと格好いいの狭間!まだ1年生だもんね!
ぶわぁっと頬に熱が集まったのがわかる。
おおおお・・
思考能力の著しい低下によりペコッとお辞儀し、そのまま自分の順番まで顔を上げる事が出来なかった。
あっちなみに自己紹介は何を言ったか覚えていない!残念!





LHRも終り、帰り時間。
1年の部活開始日はまだだけど、
どうせだからバレー部見学でもしようかなと
第2体育館へ向かう。
今日は練習あるのかなー。てか第2体育館てこっちで良いのかな。
ウロウロしてると前方からもの凄い天パの人が歩いてきた。ブロッコリーと似てる。
うん?何か見たことあるような?

「新入生?迷っちゃった?そっち体育館しか無いけど」
「あ、いえバレー部の見学に・・・」
「女子はあっちの体育館だよ」
「あっすみません、男子バレー部の見学です。
マネージャーになりたく「まじで?!」

おおぅびっくりした!

「女子マネージャーとか!うおおお!あ、俺田代!3年男子バレー部の部長です!」


ニッコニコですね。
思い出したわ!なんか春高んときひたすらテンション高かった人だ!


「あ、1年の日向さちです。あのマネージャーって二人でも大丈夫ですか?」
「全然大丈夫!!本当に?!女子マネージャーとかもう何年振りだよ〜嬉しいよー!
あ、でも今日は練習無いんだよね。明日から放課後、ここの体育館でやってるから!」
「わかりました、ありがとうございます。また明日来ますね。今後も宜しくお願いします」
「うん、また明日ね!」
失礼します、とペコリ。そのまま踵を返す。
あー残念練習やって無かった!
ちなみにマネージャー二人とは勿論清水さんを誘う為である。



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