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「あっきた!翔ちゃーーーん!」
「「?!」」
「えっ姉ちゃん?!」
「「姉?!」」

はい、本日1年生の合宿終わりですので迎えに来てみた!
うわぁぁぁ可愛い1年生がいっぱいいる・・・ハーレムか!!全員漏れなくデッカイけどね!!気にしない!!

「あっ五色くん!」
「えっはい?!」
「どうも初めまして烏野高校排球部マネージャーで、翔陽の姉の日向さちです!この度は翔陽の勝手な行動でご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした!!」
「ええっ?!いや、エッ」
「これ、お詫びなので、鷲匠先生達に渡しておいてくれませんか?」
「え、いやでも」
「受け取って貰え無かったら、白鳥沢の選手の皆さんで食べて下さい。」
「あ、は、はい・・・どうも・・・ありがとうございます・・・?」


すまん五色くん。君は良い子でちょっとアレな子なんで戸惑ってるうちに畳み掛ければ受け取ってくれるだろうという作戦である。あ、褒めてます。

どうしてもお詫びしないと!という親心?が頭を離れなかったのだ。という訳で和菓子と洋菓子、両方差し入れておく。ついでに1年生達にもお菓子を配っておく。ただのパウンドケーキだ。スマン。手作り気持ち悪かったら捨てておくれ・・・。

「あ、黄金川くん!」
「ハイ?!」
「今度、烏野と練習試合があるから、また宜しくね!」
「マジすか!日向!今度は倒す!」
「うおおお望むところだー!!って姉ちゃんマジ?!」
「ほんとほんと。詳しくはまた部活で教えて貰えると思うからね。黄金川くんも、翔陽がお世話になりました。」
「イエ!!楽しかったっス!」
「なら良かった、ってツッキーツッキー!!先に帰ろうとしなーい!!」
「・・・(イヤなんでアンタがここに・・・知らない人のフリしてんのに話しかけてくるとかほんっと迷惑だし意味わかんない日向家どうなって)「目で語るにも程があるわ・・・」

久しぶりにツッキーに蔑まれた。それすら懐かしいわ・・・。

「ツッキーにもお世話になりました!ってなわけで、今日は、母と車で来てるから、送ってくよ!!」
「・・・イエ結構です。」
「って言うと思ったー!でも逃がさなーい!ツッキーにはお詫びにケーキ持ってきたから、車で食べようねー!翔ちゃん行くよ!では皆様お世話になりました!!」
ツッキーのジャージを鷲掴みしてとっとと車へ連行していく。翔ちゃんもすっかりご機嫌で月島と話?成り立ってない会話?をしているし・・・何よりケーキって言った瞬間、若干抵抗が弱まった事を私は知っている・・・!

「お兄ちゃーーん!!」
「夏?!」
「お帰り翔陽。あらーあなたが月島くんね!いつも翔陽がお世話になってます。さ、どうぞ乗って乗って!」
「・・・ドウモ・・・」

ふふふふ日向家に囲まれるツッキー・・・!!ごめんね!一回見てみたいこの図!を実行したくて!!

ちなみに車の中は助手席私、後ろに夏ちゃんツッキー翔陽という座り順だ。基本的に礼儀正しいツッキーはここで文句は言わないとわかってての座り順だ。

「ツッキーこのケーキね夏がクリーム塗ったから食べて食べて!」
「月島くんって本当背が高いわねぇ・・・何食べて育ったの?」
「あっ月島これも食えよ!美味いぞ!でもやっぱ2メートルはデカかったなー!」
「夏ちゃんツッキーって呼び捨てしないのー!蛍お兄ちゃんでしょ〜」
「はぁーい!蛍お兄ちゃんおっきいねー!でも夏もね!身長伸びたのー!」

カオス・・・!!!なんというカオス!!
ぶふふっ・・・ツッキーがスリープモードに移行したがってる・・・!!スンってしてる。スンって何なの超面白い。多分合宿で1番疲れるのが今だろうなぁ。もう既に会話は母との会話に絞って返事をしている。流石である!!いやー面白い。面白すぎる。本当すいません・・・!!

その後は本気で青ざめてきたツッキーを家まで送り届け、ようやく合宿が終了!!
明日からは翔ちゃんが部活に参加だ!!わーいわーい!!楽しみだなぁー!







と、いう訳で漸く皆が戻ってきた!!

「月島身長伸びたかー?!」
「親戚か」
「5日で伸びてたまるか」
「「チワース」」
「ウース」
「ごっごめいわくおかけしました・・・」
「?どうせお前残ってたって単品じゃ役に立たねぇだろ」
「うっせぇなぁもー!!何回も言われなくてもわかってます!!」
「?! 何回もなんて言ってねぇだろ」

あ、あぁぁぁ・・・コレよコレ・・・!!

「・・・喧嘩から平和を感じる・・・」
「ブフッ」
「いやほんと・・・いいね・・・これこそ烏野ってかんじ・・・」


そうして平和な?烏野排球部の日常が戻ってきた。サーブ練習の時に翔ちゃんがちゃんとレシーブ位置に入れてるのを見たり、影山が小難しい顔してるのを見たり・・・

「あはははは!!大地くん何やってんのー!!」
「げっさち・・・!!」

体育館の窓に面白い格好で張り付いて翔ちゃんと影山に「帰れ!」っていう大地くんを見たり。うん、いい感じである!!やっぱり烏野高校排球部は楽しいのだ。

しかし過ぎていく日々の中、予想外の事も起こる事で。



それはある日の練習終わりの事。

「・・・さちさん」
「あれ?影山どうしたの?」



「・・・おりこうさんって、どういう意味だと思いますか」
「・・・はい?」
「ユースで、他のセッターに言われたっす。褒められては無いと思うんスけど。」




えぇぇえ私に聞くかねそれを?!コーチじゃないの?!

「こ、コーチに聞けば?」
「聞いたけどよくわかんなかったっす」


えぇー・・・・・・

「よくわかんないなら、考えろって事じゃないのかな?」
「さちさんならどう思いますか」

し、しつこいな!バレーに関してはほんと引かないんだから!!何て言えばいいのよコレ!!だけど、めっちゃ真剣だし、真剣に答えてあげなきゃいけないよね・・・。

「・・・プレイヤーに合わせるから?」
「・・・?」
「いやほら、こいつはココまで飛べるだろ、ってトス上げる人と、この人はこのトスが好きだからこう上げるっていう違いじゃない?人の好みに合わせるからおりこうさん?」
「・・・・・・・・・」
「ご、ごめんわかんない!!説明難しい!!」
「はい、いえ、?なんとなくわかりました?」

いや絶対わかってないよね!!頭の上にハテナマークが三つは見える!!ごめーん!!

「影山には、チームの仲間がいるから、きっと大丈夫だよー!!自ずとわかる時がくる!」
「・・・ハイ。」


いやホントごめんね・・・でも、影山のその悩み、解決するから。私は知ってる。だから大丈夫だよ。・・・逆にハテナマーク増やした気がして申し訳ない限りです・・・はい・・・。








「あ、こんにちはー!!」
「「「チワース!!」」」

そしてやってきた、伊達工との練習試合。

「あっ日向!とお姉さん!」
「黄金ー!」
「あ、黄金川くん久しぶり〜!」
「こないだのやつめっちゃ美味かったっす!あざーす!!」
「あ、良かった〜!あっ青根くん久しぶりー!」
「・・・ッス!」ぺこり。
礼儀正しい・・・!!さすがである。コガネくんくそ可愛いなー!!
「日向さん、ですよね?いつもウチの部員がお世話になっているようで・・・」
二口くんだ。爽やか路線できた。スマン胡散臭い・・・!!
「いいえ、お気になさらず。では失礼します。」

ニッコリ笑顔でさっさと去ろう。
うん、背後からなんか舌打ちが聞こえた気がしなくも無いが気にしない!二口くんはイケメンだけど裏表激しいから怖い!!




ピーーーー


さぁ、始まる。伊達工との練習試合だ!


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