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1セット目、及川さんのサーブでスタート。
・・・いやいや、及川さんサーブどーなってんの?凄いわ。人が打った?って感じ。大地くんよく取れるなぁ。横からみててこれだもん、上からだったら回転もかかってるの見えるから凄いんだろうなぁ。
それでもノヤっさんのトスが上手くいき、東峰のバックアタック!!トスの音は相変わらずだけど、それでも決まった!
「うはぁ!ナイスナイス!!」
その後試合は進むも中々翔ちゃんにトスが上がらない。あぁ〜〜焦ってるー!ベンチって駄目だわ近い分かなりヤキモキしてしまう!けど、影山が何とかしてくれるはず!やっと上がったと思ったら止められるもツッキーが拾ってくれた!
「よしっ!ナイスつ「ナッ!ナイスちゅきしま!」
噛んだ・・・!田中が噛んだ・・・!想像以上に大声で・・・!!
だ、ダメダメこれ笑っちゃダメ!真剣なんだから!
「ナイスちゅきしま!」
「いいぞちゅきしまぁ!」
「ふ、っ・・・!!」
スガちゃんと縁下が笑わせにくる・・・!がまんがまん!!もう笑ったけど!
「フガァッ!!」
「冷静にし・・・やれ・・・なれボゲェッ!!」
「っ・・・!!」
影山まで!!もーやだこの子達!!
「ひっ日向さん我慢ですよ我慢っ・・・」
「っ・・・は、いっ・・・」
すーはーすーはー深呼吸して試合に集中する。
さぁ、翔ちゃん。
あの絶望の一本を。
壁を、壊せ!
ダン、という音、ボールがトン、トン・・・と転がる。
「っしゃあ!!」
ここからスタートラインだ!!
試合は、どんどんと進む。まさに一進一退。
食らいつく烏野、引き離そうとする青城。
1セット目、24-23でセットポイント。青城の選手交代。・・・来た。京谷くんだ・・・。
「アレか。」
「・・・はい。まだエンジン掛かってないから無茶苦茶攻撃ですよ。」
最後は京谷くんのスパイクがアウトになり、烏野が取る事ができた。
続く第2セット。
京谷くんがどんどん調子を上げてくるし及川さんのサーブも威力を増している。
点差が開いていく中、コーチがスガちゃんを呼ぶ。
「次、月島サーブん時に交代だ。まず、サーブで狙うのは・・・」
「はい、・・・あ、なら・・・」
「そうだ、・・・」
おお、アレか!冴子さん命名だったっけ?『戦術的ワンポイントツーセッター』スガちゃんは本当器用だ。
「スガちゃん頑張って!」
「おうっ!」
パチンと片手でハイタッチする。・・・なんかベンチで座ってると、皆の背中が大きく見えるなぁ。親のような目で見てしまうのはしょうがないよね。
スガちゃんのサーブは見事に京谷くんのところへ。翔陽が決めてブレイク!その後も京谷くんところへサーブを打つ。
そして、影山と入れ替わり烏野の攻撃は実質5人!
っていやこれ怖っ!見てる方はブロックフォローがいないから凄いハラハラするっ!それでも攻撃の手は緩めないのが烏野!影山のスパイクが綺麗にストレートに決まり17対16で1点差へと迫る。
「うおおっし!!」
「うまっ!影山うまーっ!!」
影山スゲー!翔ちゃん、嬉しいけど悔しそう!面白い顔!!
でも、すぐに青城が対応してきて、結局同点、追い越すことが出来ないままに再びメンバーチェンジ。
試合は続く。・・・んですけどね、無言の圧が!物凄い圧が!
「・・・コーチぃ・・・」
「・・・わかってんだよ。」
ぐっちの圧が凄い・・・!!
あ、そうか。和久南戦見れ無かったけど、山口は一回逃げてしまってるんだ。だから・・・。
そっかぁ。・・・本当、強くなったなぁ。
「山口10点とれ!」
「それ試合終わるけど」
「許す!!」
「「せーのっ!
一本ナイッサーブ!!!」」
「ふはっ」
本当、良いなぁ。山口の事を応援して、信じてるんだ。そして山口は必ず答えてくれると信じてる。
そして、笛の音のあと、ゆっくりとサーブトスをあげる。
そのサーブはまるでスローモーションのように見えた。
合宿のとき、・・・合宿以外も、ずっとサーブ練習してた。最初は全然変化しなかった。基本的に彼は器用じゃないし、平凡な選手だから。それでもずっと努力してきた。
ドッとサーブを打つ音、綺麗に回転のかかってないボール。
「っ!」
「アウト!」
青城のほうでそんな声が聞こえるが、ボールが変化し、ドンと落ちる。ラインズマンが旗を下へ向けて降る
「「「ぅおっしゃああああああ!!!!」」」
思わず両手でガッツポーズして、スコア表を床に落としてしまう。
でも、そんなの関係無い!やった!!やったんだ!彼が毎日頑張ってきた日々が、漸く報われたんだ!!
「そんなに驚く事じゃないデショ
この5ヶ月間
サーブだけは誰より練習したんだから。」
ツッキーが冷静にそう言う。
だけど、ここからは見えた。誰よりも先に、小さく、気付かないくらい小さく手を握りガッツポーズをしたツッキー。きっと誰よりも嬉しかったんだろうなぁ。ほんと、素直じゃないなぁ。
「空を破る一本・・・ですか」
「・・・あぁ それと
反撃の狼煙の一本だ。」
その後も凄かった。スパイクを体で受け止めて。
彼の、サーブ権は、まだ渡さないという気持ちでとったボール。・・・すごい。気迫が違う。山口、ほんとに頑張ったんだ。凄いよ。
同点に追いつくも、最後は青城に軍配が上がり、第2セットは結局28-26で青城の勝ち。
だって、青城とはフルでやる宿命だから。
「ーー行くぞ。
俺達は青城超えなくてはいけない。」
「烏野ファイッ」
「「「オ"ア"ーース!!」」」
最終セットが、始まる。
「・・・コーチ」
「なんだ。」
「・・・緊張してお腹痛くなってきました・・・」
「ぅおい日向かよ」
「日向ですよ!」
「違ぇよ!お前らやっぱ姉弟だな・・・」
「エッに、似てます?え、えへ・・・」
「そこ喜ぶなよ・・・」
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