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3回戦、角川対烏野。
今回も、私は2階から応援だ。

「うっわデカっ!!」
「2m超えてるみたいですよ」
「えっマジ?ヤバいじゃん!勝てんの?!」

冴子さん!!ほんっと良い反応してくれるなぁ!!

「戦える方法は、ありますから大丈夫ですよ。いっぱい応援しましょう!」
「へぇ、自信満々じゃん」
「信じてますから」
「アンタが言うならそーなんだろーね。なら高みの見物といきますか!」

っしゃ龍〜!負けんなよーっ!っと大きな声援を送る。
ホント男前!いちいち赤くなる田中と喜ぶノヤっさんも可愛いなぁ。


試合の展開としては、やっぱり最初は百沢くんにブロックの上から打たれ、翔陽のフェイントも捕まる。
「烏野、手も足も出ないって感じだなー」と見知らぬ人が言った声が聞こえた冴子さんが凄い目で睨んで退散させたり。格好良かった・・・!!すいませんけど田中そっくりだった・・・!!

そして、1回目のTOが終わりコートに戻る皆を眺めていると、視線に気付いたのか大地くんとノヤがこっちを見た。
二人して、ニヤりと口角を上げると、こっちに拳を突き出してきた。



ーーあぁ、そうか。

私も同じように、笑顔で拳を突き出す。


ーー彼らは伝えてくれたんだ。

しっかり見てろ、と、
次は拾ってみせる、と。

ーー嬉しいなぁ。

その後、すぐに影山が澤村に何かを言いに行ったかと思えば、途端に翔陽がうずうずそわそわし出す。わかりやすい・・・!アレだ、誕生日プレゼントとか翔陽の欲しいものを買いに行く日はいつもあんな顔してたなぁ。


「冴子さん、反撃の時間ですよ!」
「へ?!」

レシーブをレフトに寄せ、百沢くんのスパイクをノヤが拾う。

「うわっ!ユウ!ナイス!!」
「は?!ねぇちょっと何アレ!!」
「っしゃー!!いいぞ翔陽ー!」
「アンタの弟凄いじゃん!!!」

冴子さん!もう一回言いますほんっといい反応ありがとうございます!!

顔のニヤニヤが止まらないまま、冴子さんに解説していく。

試合は進み、あと1点で烏野が勝利する。

その最後のボール、託された翔陽はしっかりと学んだ事を生かし、見事なブロックアウト!そーだそーだ公式戦で、速攻以外で点取った!ってこの試合だった!あ、ふふふっ東峰に持ち上げられてる・・・

「いやー勝った勝った!面白かったー!」
「わ、本当ですか?」
「うん、龍の格好良い姿もいっぱい見れたしね!また暇なとき観に来るよ!」
「ありがとうございます〜!」
「んじゃ、今から片付けっしょ?アタシもバイトだし帰る・・・あっそーだ!」
「どうかしましたか?」
「明後日さ、烏野神社で祭りあんの知ってる?」
「あ、なんかおっきいお祭りですよね、花火もある・・・」
「そーそー!それに出るからさ、良かったら見に来てよ!夏休みだと練習終わるの夕方でしょ?うちら出番19時からだからさ!」
「出番?」
「そ!大学で和太鼓チーム作ってやってんの!」
パチンとウインクする冴子さん。

おぉー!!冴子さんの和太鼓!しかも神社で!!見たい!!

「うわぁ絶対行きます!!」
「スゲーの見せてあげるから楽しみにしてて!」
パチンとウインクする冴子さん。かっ格好良い・・・!

じゃーねー!っと元気良く去っていく冴子さん。
うわぁぁ冴子さんの和太鼓なんて春高まで見れないと思ってたから嬉しい!!夏ちゃんも一緒に行こうかなー!あっ潔子ちゃんとやっちゃんも誘ってみよう!


片付けも終わり、恒例の忘れ物チェックをし、皆のとこに行く。翔陽を見つけたのでグリグリと頭を撫でてあげる。
「合宿の成果、出せたね!!」
「!!・・・うん!」

はー・・・可愛いな〜嬉しそうにしちゃって〜!

「でーも!コレ忘れてたでしょ!」
と、起きっぱなしだった空のお弁当箱を渡す。
「ヘアッ?!忘れてた!」
「もーその包み、夏ちゃんのお気に入りなんだから、忘れちゃダメでしょ。大体なんで夏ちゃんのーーーー・・・」


あ、あれ?!




凄い勢いで前後左右を確認し、ぐりんと首を回し直ぐ後ろに潔子ちゃんとやっちゃんが一緒に歩いてる事を確認。二人にきょとんとされたので何でもない、と言って平静を装う。

さっきまで隣にいた翔陽は、今は影山の隣にいて、レシーブがクソだのなんだの言われてる。2年コンビにホギャッて真似されてて・・・




やっぱりそうだよ忘れてた!!これ、この包み!!本来なら潔子ちゃんがナンパされるキッカケなんだった!!





あら〜・・・。こ、これはもしや気付かないうちにフラグ折ってたって事?!忘れ物しなかったし、潔子ちゃん達と一緒に居たから、条善寺の人達も、居ないし・・・。

え、えーっとえーっと・・・なんか重要な話したっけ?!・・・いや、してない?よねぇ?試合は楽しい遊びとか言ってただけだったような・・・






・・・ま、いっか!揉めない手も打ってあるし、何より潔子ちゃんがナンパされなかったんだしオッケーでしょ、うんうん。という訳で潔子ちゃんの近くに居て、1人で行動する事が無いようにしておこう。

「潔子ちゃん、やっちゃん、明後日お祭り行かない?」
「お祭り?」
「うん!」

冴子さんが和太鼓をやっていること、お祭りで披露することを話す。

「夏ちゃん・・・妹付きで良ければ。」
「楽しそう。いいよ、仁花ちゃんはどう?」
「わ、わわ私もいいんですか?!?!」
「勿論」
「はわわわわわぜっぜひ行きたいでしゅ!!」
((噛んだ・・・!!))

「じゃあ折角だから浴衣着て行こうよー。」


と、きゃっきゃうふふ〜とお話をし、3人で行く事に。







しかし、話はそこで終わらなかった。




実は今日も、皆でバスで来てたんですけどね。バスを降りた時ですよ。




何故か私に土下座するノヤと田中。






「なっ何事・・・?!」

「一生のお願いです。」

怖っ・・・

「なに・・・?」




「「俺達も一緒に祭りに行きたいです!!」」







あ、あー成る程。顔に「潔子さんの浴衣姿が見たい!」って書いてある・・・!!

うーん・・・
いや、でもこの2人マジだ。こんな真剣な目、見たこと無い!!・・・試合でその目をして下さいよ・・・!

でも待てよ、この2人がいれば潔子ちゃんに近付く輩が減るのでは?いい護衛になるかも。

と、思案しているとひょこりとスガちゃんが現れた。
「・・・何事?お前ら何やったの・・・?」
「ちょ、私がやらせてるんじゃないよー!」


何故こーなってるのか説明する。


「え、じゃー皆で行かね?」




・・・という訳で皆で行く事になりました!しかも持ってる人は浴衣着て来る事に!

参加はマネ3人・・・3年と2年は全員。1年は翔陽、山口。山口がツッキーも行こうよ行こうよ攻撃をしている。勝負の行方は当日までお楽しみって感じだけど勝率は悪そうだ。

でも、皆でお祭りだなんて楽しみだなぁー!!
















「感謝して感謝して感謝して」
「スガ、お前なぁ・・・」
「ひなちゃんの浴衣だべ〜!」
「・・・ガリガリくんでいいか」
「ダッツで!」
「くっそ!足元見やがって!わかったよ!」
「ぶはっ大地マジかよ!そんな嬉しかったんだ!」
「おーおー悪いか!」
「ぜーんぜん!」


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