1
 

あっという間に日は流れて、明日からはGW合宿。現在、前夜の22時。晩御飯も食べ終わり、お風呂も入った!
本日は、私がやります!

ノックせずにスパーンッと翔陽の部屋の襖を開ける。あ、私の部屋は洋室で、翔陽は和室なのだ。閑話休題!

「ぅおわぁっ!ねねね姉ちゃん!!」
「・・・やっぱり!!」

突撃とか卑怯!!とブーブー言う翔陽。
「もー翔ちゃんこんなに荷物広げて!お菓子入れすぎ!!バナナは用意してるからだめ!」
「きゃーー!!」

やっぱりか!ソワソワしてやけに台所に出入りしてると思ったら案の定!合宿なのに余計なもの入れすぎィ!
「学校で合宿なんだから、お菓子食べたくなったら坂の下があるでしょ!お姉ちゃんの鞄にも少し入ってるから!そもそも練習ばっかで食べる暇なんか無いよ!それに翔ちゃん人一倍動くんだから、お菓子より着替えを入れとかなきゃ!」
「・・・ハイ・・・」
「ゲーム持って行くなら、トランプとかウノとかにしなさい。皆で出来るやつね。あぁっ!なんで人生ゲーム入れてんの!」
「スミマセン・・・」

・・・なんて事を前夜に繰り広げ、とうとう合宿開始である。



合宿、正直選手よりマネのが忙しい!!!
初日は授業後だから、とりまドリンク準備して練習に必要なものも準備!即座に武田先生と買い出しへ。
今日はカレーだ。カレーと、サラダ、コンソメスープ。予算上チキンカレーだが。
なんと!食料の調達は!!あの!!!

嶋 田 マ ー ト !!!

そう!場所聞けたものの行けてなかったのよう!!それに、今まではもう少し近い所にあるスーパーに買い出しだったが、今回はコーチがいる&安くしてくれるとの事で、好意に甘える事になったのだ。素晴らしいコーチ万歳!



嶋田さんがいたので、この袋、新しいやつください!とか言ってすいません。ドン引きされた。嶋田さんの着ていたエプロンがこれまた輪切りブタさん柄で・・・!!嶋田さんに「え、エプロンは駄目だよ!」って言われた。私は見つめていただけだ。どんな顔してたんだ私・・・。でも優しい優しい嶋田さんは快く袋をくださった。後悔なんて無い。



とゆー訳で、合宿所に戻り、物凄い勢いで調理していく。
今度は武田先生がドン引きだ。
「す、凄いね・・・清水さん・・・日向さん・・・」
「ふふふふ・・・!はいキヨちゃんこれ終わった!」
「ん、こっちお願い」「ハイよっ!」
この辺りの連携の良さも是非見て頂きたい程だ。3年目をナメんな精神である。
と、全準備ができた頃に玄関付近が、ガヤガヤとしてくる。ガチャツ「うおおっ」バタバタバタバタバタンッ「うおおおっ」と聞こえてくる。
うん、翔陽くんですね、間違い無い。


「カレーはお代わりあるよー!但しサラダ食べ切ってないとダメだからねー!」
と、言っておかなきゃ食べない人がいるんだよねー。
「卵あるから要る人言ってねー。」
「俺欲しいです!」
「ゆで卵あります?」
「はいはーい。・・・」
・・・影山がニラんでくる。何故?!

「影山くんおいでおいで。卵欲しい?」
コクリ。
「生?茹でたほう??」
ブンブン

えぇー・・・?困った。私の困った顔を見て、意を決したように口を開きボソっと言った。


「・・・あの、温泉卵は温泉じゃないと出来ませんか。」





ファ?!




ちょ、吹き出さなかった私を誰か褒めて褒めてー!!何この可愛い子!!出来るけど出来ないって言いたい・・・!!

「・・・10分くらい時間貰えたら作れるよ」
「!!!」
めっちゃキラキラしとる。何なのこの子!!可愛いー!!
「カレーに温泉卵入れるのが好きなの?」
「・・・本当はポークカレーが一番好きっス。」
「そっかそっか、わかった用意してあげるから、座って待っててね。」
「あざっす!」

やーんソワソワして待ってる!!かーわーいーいー!にしても売ってる温泉卵は全部温泉で作ってると思ってたんだろうか・・・影山家は絶対面白がって教えて無いだけな気がする。

温泉卵持っていったら物凄く尊敬の眼差しで見られた。影山家の皆様、ありがとうございます。




さて、皆に配り終えて、ようやく私達もご飯の時間だ。
という訳で、コミュニケーションタイムだ!

「お隣失礼します!」
「あっ、ど、どうぞ」
「どーもどーも。」

山口・月島が向かい合って座ってたので、山口の隣に座る。
ふふん、ツッキーが真っ向コミュニケーションに弱い事は知っているのだ。

「グッチー、カレー、美味しい?」
「っあ、お、美味しいです、凄く。」
「ツッキーは?!」
「・・・その呼び方やめてくれませんか」
「え、嫌!ツッキー、カレー美味しい?」

ゲホッと山口が噎せたのでお茶を差し出しておく。視線はツッキーのままだ。おう、眉間に山脈が出来ているがまぁ気にしない!ニコニコ笑って返答を待つ。
ハァーーーーっと盛大な溜息のあと、
小さい声で「・・・美味しいんじゃないですか」と答えてくれた
「ありがとー。辛口派?甘口派?」
と、すかさず問いを重ねていく。考える隙を与えるな作戦である。
「ツッキーはどっちでもイケるよね。」
「山口」
「ごめんツッキー」
「翻訳係か。ツッキーなんでそんな肌綺麗なの?なんかお手入れしてるの?」
「ハ?」
「どうよグッチー」
「えっ!いや、どうでしょう・・・?」
「だって!どうなの?」
「・・・特に何もてしてませんケド」
「えっ天然でそんな綺麗なの!凄いなー。進学クラスでしょ?頭良いじゃん!背も高いしモテそー!と思わない?グッチー!」
「・・・ドーモ」
「そっそうですね、綺麗ですね!」
「・・・山口」
「ご、ごめんツッキー、でも、羨ましいと思うよ」
「えっなんで?」
「えっだって頭も良いしバレーも上手いし・・実際モテるし・・・」
「え、グッチーのがモテそうだけど。」
「ええっ!?」
「だって背高いし優しいし顔は可愛いし。人の良いとこ見つけるの得意でしょう?」
「・・・な、んで」
「だってツッキーの良いとこ知ってるんでしょ?皮肉屋で素直じゃなくて捻くれ大王のツッキーの。凄いと思うよ。」

お、顔が赤くなった。可愛いのう。

「・・・今、僕凄い貶められましたよね。」
「イエイエ滅相もない!!ちょ顔怖い!」
「・・・」

「ツッキーは個性的なだけだよ。本当に嫌な奴ならグッチーは友達になって無いでしょ。」

「優しい人には優しい人が寄ってくると思ってるからさ。まぁ、グッチーはつまりもっと自信を持っていいと思うよって話だし!」
「え、あっ、あ、ありがとう、ございます・・・」
「こちらこそいつも手伝ってくれてありがとうね!」
ハイ!と笑顔で答えてくれた山口。

「・・・今の纏めたつもりですか。全然纏まってませんけど。」
「サーセン」



本当に期待してるんだよ、と、笑顔と無表情コンビを見ながら未来へ想いを馳せる。
無理矢理?だけど、もし全く会話出来なかったらどうしようかと思ったけど、話が出来て良かった!本当、ツッキーと話せるのは山口のお陰だわー。


そうして合宿1日目の夜は更けていったのでした。






・・・なんてね!!まだまだ終われ無いわよ!

片付け終わったし、明日の仕込みも終わり、潔子ちゃんは帰宅。
私はそのままお泊りです!この施設の女子部屋にはお風呂もついてるので便利なのである。しかも全部鍵付き。素晴らしい。何があったのかは不明。という訳でお風呂も完了!そろそろ男子は1年生がお風呂の時間だ。
しっかりデジカメ&スマホ持参で男子の大部屋へ。
ノックをすると、ハーイと返事と共にドアが開く。
ひょっこり顔を出したのは縁下だ。

「さちさん、どうかしました?」
「皆お風呂あがった?」
「あ、2、3年はあがりましたよ。後は1年が、」
「3年誰がいる?!」
「旭さんと菅原さんで、「ノヤ戻ってる?!」
「え、ええ、ハ「お邪魔します!にしのやー!」」
「ハイ?!」
振り向きざまをバシャバシャっと連写!
うわぁあ何撮ってんすか!と言われながら連写!


ぺちゃノヤぁぁぁあ!!!!ぐうかわ!!
可愛い可愛い!!


「やだもうノヤっさん超イケメン!こっち向いてー!!」
本音:『あああぁぁぁ・・・可愛い・・・尊い・・・可愛い・・・たまらん・・・』

「何枚撮ってんすか!」
「男らしい!格好良い!ちょ、ちょ、立って立って!!」
「え〜も〜!しょ、しょうがねぇなぁ〜!」

チョロい。可愛い。

「旭くん!旭くんも立って!!こっち来て!!」
「エェッ俺?!」
「ほれ早く早く!!ほら髪の毛耳にかけて、顔よくみせてハイ背筋のばす!!ノヤの横並んで並んで!」
「ハッハイ!」
「旭さんと撮ってくれるんスか!っしゃ!」
「はーい並んで。手、繋いで」
「エ?!」
「ハイ!旭さん手!」「え、断ろうよ」「いーじゃないっスか!ハイ!」
「撮るよー!」バシャバシャ

あああぁぁぁぁぁかーわーいーいー!!!
東峰と手繋いでエセ親子ショットもゲットだぜ!!
・・・やばいどっからどう見ても親子だわ・・・

「ひなちゃん見せてー!」
「スガちゃんヤバいどうしようこの親子!」
「え、どれ・・・・・・ブフッ」
「「「わははははは」」」
「ひなちゃんひどい・・・親子・・・」
「おわっ旭さん気にしすぎっスよ!」
「そうよ!息子イケメンじゃん!しかも今、親子に見えるってことは、子供が出来る年齢になっても、今と変わらないってことだよ!将来若く見えるなんて羨ましい!」
と、適当に慰める。適当がバレたのか微妙な顔された。でもキニシナイ。

ぺちゃノヤ堪能したので、そこからは田中が俺も撮って下さいよ!と言い出したので全員入り乱れて撮影会だ。
風呂上がり1年達も帰ってきたので、早速翔陽とノヤのツーショットを撮りまくる。
あぁ・・・可愛い・・・風呂上がり翔ちゃんは、いつも以上に髪がふわっとしててマジ天使である。天使とぺちゃノヤとかもうたまらんっ・・・!
このツーショットはこっそり待受にしよう。変態と言われようと尊い事に変わりはない。
あぁっ風呂上がりグッチー髪ハネて無い!この子背は高いけど顔立ち幼いから思った以上に可愛いぃ!照れて頬がちょっと赤くなるところがいいよね!

逃げそうな奴ら・・・TとK!は最早盗撮だ。不意打ちで撮ってたらTには絶対零度の視線を頂きましたがキニシナイ。
・・・Kは・・・写真撮られ慣れてないんだろうな・・・この顔は・・・もはや何も言うまい・・・。


どっか行ってた大地くんが帰ってきて「何騒いでんだお前らウルセェ!」て怒られた。
でも親子だよって撮った写真見せたらブハッて吹き出してたので少しは機嫌が直ったということにした。






そうして私の萌えを存分に補充した所で合宿1日目は終わって行ったのでした。













「いやーひなちゃんの突撃写真撮影があると合宿って感じするよねー」
「エッ去年も来たんですか?」
「うん。去年はひたすら西谷ばっかり撮ってたよ。」
「・・・去年は親子とか言わなかったのになぁ・・・」
「旭・・・ヒゲのせいじゃね?」
「!!(ガーン)」

「・・・・・・変人の姉も変人って事だネ」
「何だとぉっ月島に言われたくねーよ!」
「・・・どー見ても変人だけど。」
「ツッキー!」
「お前らさっさと寝なさい!」


前へ 次へ


 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -