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題名の通りのお話です



「おはようございます、土方さん!」
「ん? あぁ……、おはよう」

 効果音が付きそうなほどビシッと敬礼をすると、その挨拶でようやく私の存在に気付いたらしい土方さんは、唇を小さく動かして返事をしてくれた。
 あぁ、もうっ……! その素っ気ない態度、たまりませんっ! よく見ると、ちょっと長めな前髪から覗かせる目は、充血してしまっている。そういえば、昨日は午前2時38分まで、お仕事をしていらっしゃいましたもんね。本当にお疲れ様です。
 視線を土方さんの首に移すと、仕事モードより若干緩められたスカーフが目に入った。今日は残念ながら、あの麗しい鎖骨を拝むことはできないけれど、でも、見えそうで見えないその焦らしプレイは私へのご褒美です!

「おい」
「はいっ! なんでしょうかっ、土方さん」
「今日はお前に手伝ってもらいたい仕事がある。朝飯食ったら、副長室に来い」
「えっ……」

 私の返事を聞くこともなく、土方さんは、スタスタと食堂へ行ってしまった。
 副長室。副長室。副長室。この言葉が、私の脳みその隅から隅までを占領していた。
 土方さんとのお仕事を断るわけないし、そもそも、副長命令は絶対。でも、副長室は、いち平隊士が簡単に入れる場所じゃない。そんな聖域ともいえる場所に足を踏み入れることが赦される日がやってくるなんて……!
 エクスタシーに溺れそうな脳みそをなんとかフル回転させると、軽い足取りで、食堂へと向かった。

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