半宵_9

「え、」
「嘘だよ」
隙をついて、乳首とペニスに一気に刺激を与えられる。
え、まって、心の準備が、あ、あー。

「うぁ……」
きゅっと乳首を抓られた瞬間、先輩の手の中に欲を吐き出す。泡立った白とまざってどろどろ。
「おつかれさま、いやーいいもん見せてもらった」
シャワーをとり、自分の体と俺の体にお湯をかける。ずいぶんとご機嫌だな。

黙ったままの俺を先輩が覗き込む。
「……木島ー?」
「おれ……情けなくて涙でそう……」
酔って人の家に転がり込んで、風呂場をトイレ代わりにして、あげく射精させられて。急に冷静になった頭に、途端に絶望が押し寄せる。
「え、おい、なんで泣くんだよ」
「ううー……」
言葉にしたら止まらなくなる気がして、下唇を噛みしめる。

「とりあえず、冷えるから、な」
頭上からバスタオルがかけられる。柔軟剤のにおいがするそれを、思い切り顔に押し付けごしごしと拭いた。

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