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「……以上で、定例会の報告を終了とする。何か質問のあるものは?」

放課後、生徒がまばらになりはじめる時間帯の、小会議室。

「隊長、最近会長にまとわりつく生徒をご存知ですか」
そう発言したのは、俺と同じ高等部二年の生徒。同い年であっても、隊内では階級に応じて敬語を使うよう義務付けられている。鳴瀬のことを俺が知らないはずがないのに、それをわかっていながら言うとは、余程気に食わないのだろう。

「鳴瀬奏については、俺が直々に説得を試みている。」
「しかし隊長!あいつは会長に気安く接触して……転校生だか何だか知りませんが、許されることではありません!」
今度は一年の生徒。背が高く、艶のある黒髪が印象的な美人だが、今は顔を醜くゆがめている。
一人の発言をきっかけに、周りの生徒もそうだそうだと口をそろえる。

「恵斗さまを呼び捨てにするなんて!」
「あいつが一緒にいると、生徒会の方々の品格が下がります!」
「恵斗さまは優しいからそれに付け込んでいるんだ!」
「森垣隊長はどう思ってるんですか!」
「制裁を!」

静かにしろ、という意味を込めて手を挙げると一斉に静まり返る。

「規約を忘れたわけではないだろう?……俺たちは会長の指示なしに勝手に動いてはならない、会長が何も仰らないのなら、今はその時ではないということだ」
ぐるりと見まわすと、頭では分かっているけれど納得できない、という表情だ。俺だってそうだよ、正直言えばムカつく。あいつが勝手なことをするたびにイラつくし、それが会長に関わることなら、ぶん殴りたくなる。しかしそこは親衛隊長として、隊の見本にならなければならないのだ。

「制裁はしない、隊の皆もくれぐれも変な行動は起こさないように。これにてミーティングを終了とする。」


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