psi fantasy_1
コンセプトは超能力×RPG。
主人公は特別な力で魔を祓える勇者で、敵対勢力に奪われた力を取り戻しながら、村に棲みついた魔物や穢れを祓っていく。最初はほとんど何もできず敵にボコボコにされるが、ストーリーを進めるごとに強くなっていき最後は飛ぶわ一網打尽にする攻撃はできるわワープするわ、何でもあり状態のもはやチート。
そんな内容の、あまり売れたとは言い難いゲーム。
タイトルは『psi fantasy』、超能力ファンタジー。
そのまますぎるダサタイトル、通称サイファン。
の、主人公、俺。
「あーもう……体力全然ないしこの状態で移動するかねえ!?」
ぶつくさ言いながら歩を進める。仕方ないのは分かっている、俺たちキャラクターはプレイヤーのコントローラーに従うしかない。
先程3つ目の村を浄化し終え、そのまま次の村に向かっているところだ。
手持ちの回復薬も底をつき村に宿屋もなかったのでボロボロ。さらに前のところまで戻れば一旦休むことができたものを、なんともせっかちなプレイヤーだ。
「言っとくけど俺絶対負けるから、どうすんのよオイ」
届くはずもない愚痴のひとつも言いたくなる。
ぬかるみの中を進んでいると、視界の端に黒いものがちらついた。
「ヤバい魔物魔物!逃げろ!!」
ダッシュのコマンドに従い駆けだす。一定の距離を取れば追ってこなくなるが、そこまで体力がもつか。言い忘れたがこのゲーム、ダッシュし続けるごとに体力が削られるというとんでもない仕様である。