桃色めろでぃ | ナノ



るんるんららら

るんるんらー

あたしはおんなのこ

もりでうまれたうさぎのこ

もりにはこわいらいおんがいるんだよ

ねーねとふたりでにげるんだよ

そうしたらひとりになっちゃった

ばいばいまたね

さよなら さよなら

るんたったーるんたったー





「…それ結構ホラーじゃね?」

「るんるー…え?」

「いや、だって一人にってねーね食われたんじゃ」

「ユーリ!」

「うんとねー、ねーねはいるんだよう」

「あ、そうなのか?」

「うん!ねーねはね、ここにいるの!」

「ここって……心臓?」

「っほんとユーリばか!心にってことだろ!なんでユーリはこうデリカシーが…」

「ねーねいるもんねーるーるー」





***


「もりにはーこわいーううっ…お腹空いたよう…」


本日何度目かのぐうの音が響いた。
使い方が違う?それくらい把握済みだよ大丈夫だ、問題ない。

私、カノン・レーティアは今回何度目かのフレンさまストーkげふん親衛隊(自称)の活動中だった。
フレンさまマジイケメンすぎてつら…誰だよレプリカとか言ったやつガイさまもイケメンだけどさ。

なんかよくわかんないけどフレンが帝都を出たから私もついていって二日目。
早速ご飯が尽きて私は仕方なく樹の幹を…はっ、食べない食べない!
あーフレンが食べてる料理美味しそうだなあ。なんで屋外なのにそんな美味しそうな物食べてるのさ。こんなの絶対おかしいよ!

ぐう…

はうあっまたお腹が…ううっなんだか空腹すぎて視界が…

私、ここで死ぬのかな。

ごめんねユーリ、実は借りた雑誌間違えて捨てちゃったんだ。

フレン、いつ見てもイケメンでほんと惚れ惚れするよ。
私ね、フレンの事本当に…嫁にしたかったな…


「俺の、嫁……」


そこで私の記憶は途切れた。





***


「ユーリ、姉ちゃん知らない?」

「ああ?カノンか?知らねーけど…」

「おっかしいなあ…またいなくなってるよ」


部屋の窓辺に座りながらグミを食べていたニーtげふんユーリ・ローウェル(21)は宿屋の息子に言われ彼女がいないことに気が付いた。
そういえばここ二、三日部屋にかえってきてない。いや、もっと早く気付けよ。


「…そういやフレン達がこないだ帝都を出ていったのを見たような見てないような…」

「それだよ!あーもう姉ちゃんまた勝手に結界の外出ちゃったんだよ!ユーリ連れ戻してきてよ」

「んでオレが…放っておけばそのうちフレンが届けてくれるだろ。どうせまた空腹で倒れてるんじゃね」

「ユーリは…ユーリは姉ちゃんが心配じゃないのかよ!」

「ん…別に。フレンいるし」

「っ、いいからいけよ話進まないだろーが!」

「おわっ」


宿屋の息子に蹴り飛ばされユーリは窓から落っこちた。
散らばるグミを見ながらユーリは思った。

オレ…死ぬのかn「死ぬわけねーだろ」


「ちっ」

「舌打ち…るんじゃ…もぐ…よ。もぐゃくちくらもぐ…完璧に出来…もぐもぐ…ってんだろ」


一緒に散らばったグミを華麗に全て口に入れるとユーリはそう言った。
何言ったかわからないけどひきこもり卒業おめでとう!
ユーリは自宅警備員から下町警備員に「さっきから馬鹿にしてる?してるよな?」


「ったく…まあ暇だったしいいか…じゃあちょくら」

「大変!水道魔導器がまた壊れたよ!」

「は?」


それは一人のニート…自宅警備員が世界をかけた旅に出るはじまりの鐘だった。


「ちょっと待てどういうことだ」







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モドル