「だから文句溢したって仕方ないって言っいてるだろう!どうせ後でお腹空いたってぐちぐち言うんだから」 「でも嫌いな物は嫌いなんだよ!野菜なんて美味しくないんだよ」 「肉ばっか食べてても仕方ないじゃないか…というか兎なら兎らしくもっと野菜を」 「私は人間だよ!」 「それくらい分かってるよ!…今日は絶対カノンが食べ終わるまで僕も動かないからね。ほら、特製ドレッシングがあるからこれを」 「それでもいや!!」 今日も今日とてフレンはカノンに野菜を食べさせようと奮闘していた。 あーほら特製ドレッシングなんか出したら尚更食べないだろうよ…。 オレも最初は協力してたが正直もう面倒くさい。人参ですら食べないんだもんな。 まあ何かで釣ればすぐ食べるんだけどな。 「毎日飽きないなあ」 「ユーリ!キミも呑気にパフェ食べてる暇があるなら彼女に」 「パフェ!?なにそれユーリずるい!ぶるじょあ!」 「お前意味分かってんの?そうだな…そこの野菜全部食べたらやるよ、一口」 「……フレン、ドレッシングパス」 「え、ああ」 お、不機嫌そうにむしゃむしゃ食べ始めた。いやしかしドレッシングは逆効果だろ…。 あれかけるくらいならオレだったらいっそ何も無しにするね。死にたくないし。 「凄いじゃないか!ちゃんと食べれるじゃないか」 「まあもぐもぐ当然ですし野菜くらい食べれますしおすし」 なんだあの態度。褒められた途端急に態度変えやがって。 フレンもフレンだよなあとは思うがあいつは学んだんだ。褒めると調子に乗る→適当におだててやると野菜だって食べる、って事にな。 「なんか変な味したけど食べ終わったんだよ!!」 「そんなドヤ顔でこっち見んな。ていうか変な味って…ああお前も若干味覚おかしかったんだっけかな」 「そんなことはどーでもいいけどパフェ!食べ終わったんだから一口!あーん」 相変わらず人の話は無視でそう言うと口を開けた。全く仕方ないな…なんともいえない顔でフレンが見てるが無視無視。そういえばあいつ気づいてんのかな。 一口食わせてやると幸せそうな顔でそこら辺ぐるぐる回りはじめた。 「ぷまい!ほんとユーリって見た目とスイーツ作りだけは完璧だよね!」 「だけってなんだ。褒められてんのか貶されてんのかよくわかんねーよ」 「貶してるんだよ」 「そこは褒めとけよ」 「あうっ、女の子の頭叩くってどうなのかな!酷いと思うんだよ、ねえフレン!」 少しイラッときたから軽く頭叩いたらわざとらしく痛がってフレンまで味方にしやがった。 フレンはというとオレの顔を見るとこれまたわざとらしく大きな溜め息をついた。 「そうだよユーリ、これだからキミってやつは…」 「ダブルでイラッとくるなお前ら…」 「そんな事よりフレン今日の夜ご飯何にする?私ねえ、お肉とか、チキンとか、鳥とか食べたいなあ」 「じゃあ今夜は唐揚げにしようか」 「ほんと!?やった!」 オレの文句は完全スルーで晩飯の話をし始め…晩飯? 「ちょっと待て、え、何お前ら二人で作るの」 「…なんなのかな、ユーリはとことん邪魔をしたいの?」 「んなもんどーでもいいよ、じゃなくてお前ら二人とか只の殺人料理しか生まれないだろ…!」 「酷いな、殺人料理なんて。いつもあんなに美味しいのに」 「そうだよ!全くこれだからユーリはでりかしーの欠片もないって言うんだよ。フレン買い出し行こー」 フレンは笑って頷くとオレを見てもう一回溜め息をついてから先に行ってしまったカノンの後を追いかけていってしまった。 色々突っ込みたいとこはあるがとりあえず。 オレに明日があるのか。 そこが重要だ。 [*前] | [次#] モドル |