「何か、隠していませんか?」

そう言って私をソファに押し倒した昴さんは、私の両手を拘束して片手でソファに縫いとめると、開いた方の手を頬に当てた。するりと滑らせた手はそのまま顎へとかけられ、上を向かされる。何か隠していないか、だって・・・?そんなの「心当たりないんだけど・・・」。困惑して昴さんを見上げると、「ほぉー・・・」と納得のいかない様子だった。

「どうしたの?突然・・・」

いつもの様子と違う。少し焦りの色が見えるようで、問いかけてみた。逆に問われると思っていなかったらしい昴さんは口篭った。動かない口の変わりに指先を動かして、体のラインをなぞるように滑らせる。「んっ・・・」くすぐったさに身を捩ったけれど今日の昴さんはすぐにやめる気はないらしい。

「最近寄り道が増えたようですから。心配しているんですよ」

私の下着だけを器用に押し上げて、拗ねたようにそう言った昴さんに、思わず笑ってしまいそうだった。ああ、そんなことを心配していたのか。「そんなことか・・・安心して、浮気とかそんなんじゃないし、一緒に居るのはコナンくんよ?次の作戦の打ち合わせをしていたのよ」弁解をする訳ではないけど、と本当のことを言えば「そうでしたか。次はどんな悪巧みをしているんですか?」と追求される。別に隠していたわけではなかったし、今話してしまった方が・・・。しかし弾力を楽しむかのように胸を突く指に意識が持っていかれる。指はぐるぐると円を描きながら乳頭の周りを回る。触れそうで触れない距離感にもどかしくなってくる。どうする気なんだろう。焦らすだけ焦らしておいてそのままなんだろうか。

「前にバーボンの話をしたでしょ?」

一瞬手が止まった。お互い何も言わない。まるで時が止まったかのようだった。ふ、と昴さんが短く息を吐いて、再び指を動かす。私は逆に息を吸った。「ああ・・・それで、その男がどうした」つ、と指先が胸の頂を掠めて、思わず声を漏らした。「ぁんっ」昴さんの口調は完全に赤井さんの口調であったけど、執拗に服の上から敏感なところを攻め立てられてそれどころではなくなってしまった。「あっ、んん・・・コナンくんが、粗方目星をつけたと・・・っ」じわ、と蜜壷から愛液が溢れ出して、思わず太腿をすり合わせた。それを見た昴さんはそっと服を持ち上げる。外気に晒された胸が震えた。
「そうか・・・」物憂げに呟いた昴さんはそのまま直に胸に触れる。「ひゃんっ」その光景を見ていた私だったが、思わず声を上げると彼は喉の奥で笑う。「それで・・・?」言葉を切った昴さんがきゅっと乳首をつまむ。「ああ!!」急に訪れた快楽に眉を寄せて耐える。両手を拘束されているので口が塞げず、私は唇を噛んだ。「んん・・・っ」昴さんの手は休まる事はない。

「その男に近付くつもりか?」

「んっ、・・・は、あ・・・それとなくね」

「内容を聞いてやる」

私のズボンを脱がせながら言う。え、ちょっとまってここでするなんて言わないよね・・・。

「最初は組織に潜ることを提案したんだけど・・・まだ早いと言われて。バーボンの挙動が少しおかしいらしいわ。それで、バーボンは恐らく毛利小五郎の弟子・・・。安室透と名乗っている男よ。彼は毛利小五郎の事務所の下の喫茶店でバイトしているらしいから、まずはそこに行ってみることになってる。彼は顔が良いから、彼目当てに店に来る女性客も多いらしいし、私もその女性客の一人っていう立ち位置が良いかしらと思うんだけど」

「そうだな。それが自然な流れだ」相槌を打ちながら、今度は自分のズボンを脱ぐ。
「ね、ねえ・・・?ここで・・・?」先ほどから疑問に思っていたことをぶつければ、「それも良いが・・・移動しようか」と言って立ち上がった昴さんに抱き上げられた。「ちょっと、自分で歩ける」「逃げられては困るからな」そのまま部屋に戻ってベッドに下ろされると、続きだと言わんばかりに自分の下着を脱ぎ捨てて私のも剥ぎ取る。どこに持っていたのか、避妊具の封を切って既に硬くそそり立っている自身につけると、昴さんは続きを促した。

「それで?今の俺との関係も白紙に戻すのか?」

「いいえ・・・今の関係はまだ都合が良いから、そのままにするつもりよ。コナンくんが何を考えているかはわからないけどね。ミーハーな女を演じるつもり」

「きみも大概役者だな・・・。どこまでが本心か分からない」

私に覆いかぶさって口付けを求める昴さんに、私は自分から唇を寄せる。ちゅ、ちゅ、と啄むような口付けを受けながら、意識は昴さんの手の動きに向く。やわやわと胸を揉んでいた手が下に伸ばされ、秘所へ向かう。「んんっあっひゃんっ」一番敏感な所を指がかすめて、堪えきれない声が漏れる。その声ごと飲み込むかのような口付けをされて、口内に舌が侵入してくると、生理的な涙が浮かんだ。

「はあ、はっ・・・」

「はっ・・・ふぅっ・・・」

お互いの漏れる声だけ聞いて、指の感覚に集中する。一通りそこを撫で回すと、指に付いた愛液を私の太腿で拭うようになぞって離れて行った。次にくるのはつき立てられる熱。「あっ、」まだ入ってもいないのに、添えられただけで声が漏れた。「これは本心。私は偽者のあなたに恋をしているんだから、わざわざ好き好んでこの立場を崩したりなんかしないわよ」昴さんの首に腕を回して抱き寄せると、そのままの勢いでキスをした。
同時に入ってくる大きな質量に喘ぐ。「ん、んむう・・・」
唇を離した昴さんが悪戯に私を突き上げながら言う。「本物の俺に、恋をしてはくれないのか」喘ぎ声を噛み殺しながらもなんとか返答を返す。「んっ、んっ、ばかねっ・・・!私は心底、昴さんに惚れているんだからっ・・・あんっ、同一人物に惚れない訳がないでしょう・・・!ひゃあっ」答えを聞いた昴さんは満足そうに笑って私の胸に舌を這わす。きゅうう、と締まって容赦なく昴さんのモノを締め上げる。「くぅっ・・・!」その辛そうな声に、私のそこもまた疼いた。
「そうか。それは良かった」そう言って律動を強く早くした彼に、私は嬌声を上げる以外何も言えずに果てた。



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