欠落感。あなたがいないだけでこんなに苦しいとは思わなかった。というか、あなたに対してこんなに苦しい思いをする日が来るなんて、一年生の頃は思ってもみなかったな。あの頃のわたしは代々伝わる愛の魔法と言う名の呪いであなたの事をこんなに愛す事など出来ないと思っていたの。
あなたを愛してしまった事は後悔していないし、今わたしがここにこうしている事も後悔してないよ。この先もどんな事があろうとも、あなたを信じていようと思ってるんだから。かけがえの無い未来のためにね。
ああ、お父さんとお母さんも、みんなも、こんな気持ちを味わったりしたのね。みんなはもっと穏やかに愛を育んだと思うけれど、まあ、どうせわたしは劣等性だからね。みんなとは少しだけ違う想いを持っているのかも。
でもね、劣等性なら劣等性なりに出来る事もすることもあるんだって示さなきゃね。

長かった。わたしは随分と長い間、あなたがいなくて寂しい月日を過ごしたわ。でもね、もうすぐあなたに会えると思うと、なんだかがんばれるような気がするの。
後もう少しだけ待っててね。セブルス。もうすぐあなたに会えるわ。


閉塞感。君を手放してから、もう随分と時がたったような気がする。私は闇の陣営で闇の帝王に忠実な振りをしながら動いてはいるが、君の事を考えなかった日は一日たりとも無い。君の心は壊れてはいないだろうか。毎日悲しい思いをさせていないだろうか。はたまた、私の事を諦めて別の人生を見出したか。そんな事を一瞬だけ思って、すぐに君に限ってそんな事はないだろうなと思い溜息をつく。毎日これの繰り返しだ。
心配はしている。けれど、私は君の真っ直ぐで穢れない心が誰よりも強く、そして美しいと知っている。君は自分の事を劣性の血の優秀な劣等だと言っていたが、そんな事はどうでもいい。大切なのは今の君自身なのだから。それほどまでに私は君の事を愛してしまっている。かけがえの無い存在になってしまっている。
だから私はその存在を守るためにも心を強く強く持って、強く強く閉ざして、そして強く強く募らせる。
君の思っているような結末にはならないだろうが、それでもその時を待って今は薄暗い蛇の巣穴で虎視眈々と息を潜めよう。

もうすぐ君に会える。その時はもう一度君に愛してると伝えよう。赦されなくても赦しを乞おう。私の事を信じて待っていてくれているのだから、こんなに待たせてはきっと不貞腐れているに違いない。
君のその顔を想像しては心の中だけで笑った。


ああ、こんな非日常、ネジをなくして崩れたガラクタみたいだと思った。

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