「わたしはあなたがどこで何をしようとも、あなたを信頼し続ける事を誓うわ」

花子は私の胸の中でポツリとそう呟いた。
ああ、やめてくれ・・・これだからこの少女はいとも簡単に私の心の拠り所になってしまう。彼女に罰が降りかかる事を知っていながら、罪と共に生きろと願ってしまう。ああ、リリー・・・全てが終わった時、君は満足げに笑ってくれるだろうか。


ホグワーツで戦争が起こった。
闇の魔法使いたちが乗り込んできたのだ。学校中酷い有様で死傷者もたくさん出た。わたしも戦いに参加していた。終わった後、わたしが無傷である事を誰もが怪しんだけれど、わたしの戦いを見ていた人が多かったおかげで誰もわたしの後ろ指を指す人は居なかった。変わりにマクゴナガルが「あなたは良い闇払いになれますね」と言ってくれた。でも、わたしに呪文を教えてくれたのはセブルスよ。とは言えなかった。

アルバスが亡くなった。
ハリーの証言によると、アルバスに杖を向けたドラコ・マルフォイが怖気づいてしまった時、セブルスが自らの杖を振り上げ、死の呪文を唱えたとの事。

セブルスが学校を去った。
彼はその前も後も、わたしには何も言わなかった。会いもしなかった。アルバス・ダンブルドアを討ち取った英雄として闇の陣営に戻ったのだ。

大事な人を一気に二人も失って、マクゴナガルはわたしのことを大層心配した。けれど、マクゴナガルは本当のことを知らない。彼女はセブルスがしたことを許すことが出来ないと憤慨していた。確かに、命を奪うという事は許されない事だ。しかし、セブルスはアルバスの願いを叶えただけに過ぎない。アルバスの本当の狙いが何だったのかは判らないけれど、こうなる事が一番の最善策だと彼は考えたのだろう。セブルスに辛い人生を強いたアルバス・・・・・・ああ、あなたは一体どんな結末を想像していたのでしょう。
セブルスとはこの先ハリーが闇の帝王に打ち勝つまで会えるかどうかはわからない。けれど、その時はどうか幸せに笑い合えるといい。それまでわたしがあなたの愛した人の息子を守ることを約束しよう。今ここには居ないあなたの変わりに。
そう決心はしたのはいいものの、その後ハリーたちは消息を絶ってしまった。風の噂で聞いたことによれば、彼らは旅に出たとの事。なんでも、ヴォルデモートを倒すための旅らしい。

ああ、またわたしは役に立つ事は出来ないのね。
この血に生まれてきて後悔するのはもう慣れてしまった。身に覚えの無い枷をつけられて、わたしは動けなくなってしまったみたいだった。

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