『親愛なるムーニーへ

お返事早く書いてくれてありがとう!
わたしうれしくって手紙を受け取ったあとすぐに開いて中を読んでしまったわ!

ムーニーが帰ったあと、セブルスがムーニーの話をしていたわ。学生の頃の話よ!「あいつは魔法薬学においては、我輩ですら目を見張って頭を抱えるほどに壊滅的であった」って!でもね、セブルスは「そんなに悪いやつだとは思っていない」みたいだよ!よかった!
それでね、もっとムーニーやセブルスの学生時代の話を聞こうと思ったら、まるでポリジュース薬でも飲んだ(前に一度ハリーとロンとハーマイオニーがポリジュース薬飲んだところを見たことがあったんだけど、3人とも酷い顔をしていて思わず笑いそうになっちゃった)みたいな顔して・・・・・・あ、飲んで無くてもいつもそんな顔だったわね。とにかく、そんな顔をして黙り込んじゃったの。私も秘密にしていることがあるし、セブルスにも秘密にしたい事くらいあるよねと思ってあまりしつこく聞かなかったけど、いつかは話してくれるといいなと思う。だって、セブルスの事もっと知りたいんですもの!

あ、そうそう、ムーニーに手紙を出そうとふくろう小屋に言った時にね、たまたまセブルスとすれ違って「外はまだ寒い」ってマフラーを貸してくれたんだけど、彼ってすっごく寒がりなのね!そんなに寒いのかと思って覚悟してふくろう小屋に行ったんだけど、拍子抜けするくらい寒くなかったのよ!
でもね、わたしうれしかったから大広間で朝食を食べて部屋に戻るまではずっとマフラーをしていたわ。
そこでムーニーに相談なんだけど、次のクリスマスはセブルスに防寒具をプレゼントしようと思うんだけど、どんなものがいいのかな?わたし、男の人にプレゼントを贈った事がないからよくわからなくって。

それから、セブルスは他のみんなからすごく怖がられてて嫌われているけど、私はそれは違うと思うわ。だって、本当はすっごく優しいの!みんな知らないだけなんだから。ムーニーもそう思わない?・・・・・・まぁ、確かにグリフィンドールへの減点はほぼ彼がしていると言っても過言ではないのだけれどね!

ええ、わかった。この休暇中いい子にして過ごす事にするわ。・・・ほどほどにね!あ、そうだ、ピープズを追い払ういい呪文を教えてくれない?ムーニーがいる間に逆詰め呪文を教わっておけば良かったなぁと思ってたの。今までセブルスに教えてもらった『セクタムセンプラ』で追い払ってきたんだけど、それだけだとちょっと応用が利かなくってね。

じゃあ、ムーニーもお体に気をつけてね。体調が悪くなったらすぐに言って!セブルスにお薬作ってもらうから!

花子より

P.S
厨房の入り方を教えてくれてありがとう!あれから通いつめてハウスエルフや屋敷しもべ妖精たちと仲良くなれたの!お礼に、ハウスエルフにフロランタン・ショコラとチョコレート・タルトを作ってもらったので、それを一緒に送ります。』

花子から届いた手紙とお菓子を見て、私は苦笑した。
手紙の内容はほぼ惚気話だった(。しかも彼女は自分が惚気ているという事に全く気が付いていないようだ)し、セブルスの薬よりもお菓子を送ってもらったほうが私は嬉しいからだ。――あ、でも脱狼薬は欲しいな。
私はチョコレート・タルトを1つかじってじっくり味わう(――ああ、甘くて美味しい・・・)と、シリウスに花子を会わせなくて良かったと思った。きっとシリウスのことだ。セブルスを好いている花子のことを気に入らないと言うに違いない。花子の存在を知ったシリウスがセブルスと睨み合っているのが容易に想像できてしまって、それからもう1通届いていた私宛の手紙の内容を思い出してまた苦笑した。

『Mr.リーマス・J・ルーピン

単刀直入に言うが、花子には手を出すな。
あれは、私のものだ。

セブルス・スネイプ』

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