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朝、目が覚めた。あれ、目が覚めた。昨日の夜、あれからどうしたんだっけ?あんまり記憶がない。走って逃げたような気がするんだけど。あ、夢だったのか?普通に怖かった。悪夢じゃん。
押入れから降りて、居間に行った。銀さんがいた。あれ、今何時だろ。

「おはようございます」
「…えっ、なっ…おう」
「なに?」
「いや…別、に」

なんだろうか。驚かれた。もう出てってると思った?空気読めなくてごめんなさい。でもこの人気配とか読めそうだけど。

「お前…」
「はい」
「まさか、……いや、なんでもねえ」
「…もしかして、昨日の夜、坂田さん助けてくれたりしたんですか?」

襲われたヒロインを助ける。すごく夢小説っぽい展開じゃないか?

「…違う。助けてねえよ」
「そうですか?夜、何があったかあんま覚えてないんですけど、何か知りません?」
「…知らねえ」
「そうですか。じゃあやっぱ夢か」

うーん。それにしては銀さんの態度が気になるけど。なんか呻いたりしてたかな。それで心配してくれた、とか。馬鹿みたいにお人好しな人だしなあ。

「なあ」
「はい」
「…今日も、泊まんの?」
「まあ、出来ればありがたいですけど。いいんですか?」
「…いいよ」

?よくわかんないけど今日の宿をゲットした。やったね。
馬鹿みたいにお人好しなところに、つけこんでる、私は。


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