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「おい沖田ァ!」


ある、とある放課後。3年Z組担任坂田銀時・・・もとい、坂田銀八に呼び止められた。
否、ような気がした。気のせいであれ。


「ちょっと総一郎くん!?無視ィィ!?」
「あいにく、俺は総一郎じゃねぇんで」


んじゃ、と死んだ魚の目をしている天然パーマ・・・略して死んだ天パに背をむける。
確実にかかわらないほうがいい。面倒くさいのはごめんだ。


「いやぁ、あのね?頼みごとがあるんだけd「断りまさァ」早ァァ!まだ言ってないからね!」
「面倒くさそうなんで」
「あのね、ここに行ってほしいんだけど・・・」


・・・どうやら、要約すると、渡された(無理やり)紙に書いてある住所に行って、微不登校児を明日から登校させてこいと。


「断り「へぇ、総一郎くん断っちゃうんだー?」・・・総悟でさァ」
「断ったら、銀さん何するかわかんないよー?」
「・・・職権濫用じゃあないですかィ」


仕方がない、これ以上あーだこーだ絡まれるのも面倒くさい。
しぶしぶ了承することにした。


「そいじゃ、明日連れてこいよなー。連れてこれなかったらあれな、イチゴ牛乳1年分なー」
「1年分てどれぐらいなんですかィ?」
「えーと、730個だな」
「・・・1日2個計算じゃねーですか・・・。糖尿悪化しやすぜ」


こいつはもうだめだと思った今日この頃。


「・・・あ」


この住所、俺んちの近くっていうか、隣の部屋・・・



++++++



「うーん・・・と、今日は・・・面倒くさいからチャーハンでいいか」


チャーハン、というか、冷蔵庫にある余り物をフライパンでご飯と一緒に炒めるだけの簡単なもの。
雪音沙羅。銀魂高校3年Z組所属。まだ誕生日は迎えておらず。
ちなみに今年はまだ学校に行っていない。きっと、あたしを一言で説明するならば、これだろう、"謎"


「・・・ということは、今日は買い物に行かなくていいのか」


ピーンポーン
小気味よく響くそれはこの部屋に誰かが来たことを知らせるもの。
足音を立てず、ドアに近づき、そうっと覗いてみると、学ランの男子が1人。
無視。触らぬ神にたたりなし。どうせそのうち帰るだろう。

ピンポーン


「・・・いないんですかィ?」


無視。完全無視。早く帰れください。

ピーンポンピンポンピンポンピンポンピンポn「うるさいっ迷惑!」

・・・あ、しまった。つい反射的にドアを開けてしまった。
というわけで、目の前には多分世論で言えばかっこいいであろう、少年。


「ありゃ、いたんですかィ」
「・・・・・」
「俺は3年Z組沖田総悟でさァ。・・・えーっと、」
「・・・・・・・・・雪音沙羅」



名前を尋ねたかったんだろう、それぐらいはわかるけども。この人が何をしにここにきたのかは全くわからないわけで。
・・・だから怖いよね、人って。・・・だから嫌い、人って。だから行きたくない、学校に。


「・・・それで、」
「ああ、命令でさァ。明日から学校に来い」
「・・・・・・・はぁ?」


おおっとつい大きな声が出てしまった。というか、いきなり命令とか、普通じゃないよね。


「・・・・いかない、いくわけない。いきたくない」
「どこのだだっこですかィ。まぁこっちも担任にイチゴ牛乳なんて買いたくないんでねィ」
「・・・イチゴ牛乳・・・?」


730個も・・・なんて呟きが聞こえたからびっくりだ。担任は甘党なのだろうか。むしろそれを通りこして最早糖尿なだけじゃないのか。


「・・・とにかく、行かないから。絶対に行きませんから」
「それじゃあ明日。呼びに来まさァ。制服用意して待っててくだせェ」
「ちょっと待って!話聞いてる?だいたい呼びにくるなんて「そいじゃ」・・・」


どうしよう、話が通じない。なんなの、この人。非常識。
その人は隣の部屋に入っていった・・・ってあれれ、おかしい、おかしいぞ。
だって隣・・・え?表札を見てみれば沖田、と書かれていた。


「嘘・・・え。最悪」
「楽しくなりそうでさァ。まあ、明日楽しみにしといてくだせェ」


どうしよう、どうしよう、どうしよう!
あああ、神様、信じてないけど明日だけ信じるから!だから助けて!help me!
というか本当にどうしよう、どうしよう


はじめまして、
(朝、来んなああああ・・・)




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