07+


どうにかこうにか連絡をつけて、というか、花都が再び屯所を訪れただけなのだけど、とにかく、ここ、俺の自室に花都が来てる。
今風に?言うと気まずいなう!だけど。

え、どうしよう、なんでお互い喋らないんだ。

…まて、なんでお互いここに居るんだっけ俺昨日何決意したんだっけ。そうそう、とりあえず謝りたいんだ。

軽くかなりパニックを起こしてる頭になんとか命令を出させて、口を動かそうとした時、襖が開いた。


「お茶持って来てやりやした。感謝しなせェよみかさ」
「……………死ね沖田のクソ野郎」
「持って来てやったのになんでィそりゃあ」
「折角人が話そうとしてた瞬間に来やがって!狙ってただろてめェ!」
「誰がいつ盗み聞きしたってんでィ!証拠あんのかよ」
「お茶が冷めてるんだけどなぁ?あれ、なんで冷めてるのかなぁ沖田くぅーん?」
「…ふふっ、あぁ。よかった」

お互いがほっぺを抓りあって、殴ってしまおうか、そんな雰囲気の中、花都が笑った。
……花都だ。本当に、花都なんだ。
当たり前のような事だけれど、どうしようもなく嬉しく感じた。


「みかさ、元気そうで、そんな風に出来る人がいて、本当によかった」
「花都…。…ごめん、本当に、ごめん。許してなんていわねぇけど」
「うん、いいよ」
「は?」
「許してあげるよ?その為にこっち来て、ここに入ったんでしょう?」


なんでもないような事を言うかのように、さらりと花都は言う。
昔から、変わらない性格だ。
痛かったはずだ。力の加減も何もせずに、無意識のまま斬って居たのだから。


「というか、斬られた時の記憶ないから痛いとかわかんないし、言われなければみかさが斬ったなんてわかんなかったんだよねえ」
「…え」
「みんながみかさが斬った、って言うから、それを信じるしかなかったんだけど。でも、本当かどうかわからないの」
「……あ、俺ァお邪魔みてぇなんで、失礼しまさァ」

前言撤回。痛みもわからなかったそうだ。

思い出したように沖田が立ち上がる。
まぁ、沖田的にも心配で、覗きに来てくれたのだろう、とポジティブに解釈しておいてやろう。……そうじゃなく普通に茶々入れ、という線もあるが。

沖田が襖を開けると、待って、と花都が近寄り、何かを沖田に言った。
そしてこちらへ戻ってくると、


「だから、許してあげるも何も無いの。そもそも、怒ってないんだから」
「…花都…」
「あ、でも、何も言わずに真選組とかいうよくわからない組織に入ってなんか危ない事してるのは怒ってるよ?」

それから、久しぶりにあの頃みたいに、話をした。
相変わらず何処か抜けていて、おっちょこちょいな花都の話。
私のこっちでの扱いの酷さ。
サボっているのも忘れて、馬鹿みたいな話で盛り上がった。


「あ、そういえば。さっき沖田に何を言ってたんだ?」
「んん?内緒、かな」

この話は教えてくれなかったが。



重く考えてることって、だいたいそんなもの
((あの子、みかさの事、これからもどうかよろしくお願いしますね))
((あんな馬鹿女、俺ぐらいしか面倒みれやしねぇや))
(なーんて言ってくれるなんて、いい人見つけたねぇ)


×+×+
ぐだぐだすぱいらる!


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