05+


「…おい総悟」
「なんですかィ土方さん。生憎俺ァ忙しいんですがねィ」
「どーみてもちげーだろ。…みかさ知らねえか。あいつ非番じゃねーだろ」

…あとお前もな。
ごろーごろと猫…沖田に言わせればサド丸特別号と戯れてる、その沖田に向かって土方が問い、さらに呆れたように言う。

サド丸特別号(仮)はスリスリ、と沖田の手にすり寄っている。
そんなサド丸特別号(仮)をひょい、と抱き上げ、寝転んでいる姿勢から起き上がり胡座をかく。

「んで、みかさがどうしたってんですかィ?土方さん」
「いや、あいつに客なんだがな…。どうやらいねぇみてーだな」
「客…ですかィ珍しいや」
「あぁ。珍しく真面目に仕事してりゃあいいんだがな」

いや、それはないだろう。大方、見回りと称して茶屋にでも言ってるのではないだろうか。
2人のその考えに賛同するかのように猫がにゃあ、と鳴いた。


×+×+


そんな2人の考えは的中し、というかいつもそうなのだが。
見回りもそこそこに、茶屋で団子を食べ、店主とぐだぐだ話をし続けていたみかさがいつもより格段に機嫌良く屯所に戻ってくる。
その足取りは軽かったのだが。

「ただーいまー。麗しのみかさが見回りから帰って来てやったぜー」
「…へえ、てめーの仕事は茶屋で団子食いながらのんびりする事だったかぁ…?」
「ふ、副長、なんで…それを…」
「ザキに聞いたんだよ…。お前今月覚悟しとけ」
「ザキはアンパン地獄を覚悟しとけ」


みかさが屯所の扉を開けるなり、待っていたのはその異名に相応しく、鬼の顔をした副長、土方。傍にはどうやらみかさの事を報告したらしい、山崎。
アンパン地獄って何いいぃ!と1人悲鳴をあげている。

その悲鳴を無視し、みかさは部屋の方を指差して土方に抗議する。


「んで、サボり魔のお迎えですか、副長…。サボり魔ならそこにもいたでしょうに!」
「なんですかィ。人聞きのわりぃ。俺ァサド丸特別号の世話をしてたんでィ」
「サボり!これは格差社会だ!」

指差した方に居た沖田にみかさが吠える。その瞬間沖田の側に居たサド丸…もう猫でいいよね、猫がみかさの方へ寄ってくる。
足元へ寄って来た猫をひょい、と抱き上げると、改めてちょっと抗議しようと土方を見る。

「給与下げるなら「いや、今日てめーに客が来てたんだ。」…は?客?誰だそりゃ」
「花都…っつったか。苗字までは聞いてねえ」
「………花都…?」
「あぁ、髪の長い女だ。お前と違ってお淑やかな…って、みかさ?」

花都。その言葉を聞いた瞬間、みかさの顔色が変わったのを沖田は見逃さなかった。
どうやら土方は見逃したようだが。


(……そういえば、俺は…何も知らねえ。…その花都ってやつとの関係はおろか、みかさの過去なんて知りやしねぇや)


何か、昔あったのだろうか。
思案しようにも、彼女しか知らない。
当たり前の事で、しょうがないのだけれど、それでも。

(…知りてェ……)

そう思ってしまうのは、何故なのだろうか。


サボりまくってるとそのうち大変な事になるから気をつけろ
((……花都、か。随分とまた…))
((…あんな顔も、するんですねィ))
((お淑やか、なんて言ったのが悪かったのか…!?))


+×+×
久々にこの話書いたらなんじゃこりゃ、サド丸特別号ってなんじゃいな


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