君の元気がない時は

おはようございます、空音です。この前の部活見学をしてから亜依ちゃんがよく悩んでます。今日も悩んでるみたいで。そうゆう時ってどうすればいいのでしょうか…一体何に悩んでるんだろう?

「あ、空音ちゃんおはよう」

『おはよう亜依ちゃん。何だか最近元気ないね』

「んー空音ちゃんの素敵な幼馴染みがほしいなって」

『い、いくら亜依ちゃんでも蓮二くんは駄目!』

「冗談だよ」

と言いながら笑う亜依。久し振りに見る友人の笑顔につられ空音も笑った。まあ久し振りと言っても笑っていないのは朝かテニス部を見た時だけなのだが。

「ねえねえ空音ちゃん、」

『どうしたの?』

真剣な、何かを決意したような表情で此方を見やる亜依。そんな彼女と雰囲気に空音は息を飲んだ。

「私、やっぱり従兄弟にテニス部に入ってもらう!」

『へ?…亜依ちゃん、もしかしてここ最近悩んでた理由ってそれ?』

「うん。だって私の従兄弟本当生意気だからさー」

まさかあんなに真剣な表情で悩んでいた理由がこのような内容だったなどと誰も思わないだろう。当然それは空音も同じで苦笑をもらした。と、同時にそれほど大きな悩みではなかった事に安堵した(亜依にとっては大きな悩みなのだろうが)。

「よし、早速メールをしよう」

『決めたら即行だね』

などと言っている亜依を横目に笑っていれば不意に視界に入った人物。空音は一瞬で花が咲いたような彼女特有の笑顔を見せその人物の元へ向かった。

『蓮二くん!』

柳「空音か…」

『何だか元気ないね。どうしたの?』

と、空音が言えば困ったように笑った柳。普段笑ってる彼しか見ない彼女はどうすればいいのかと頭を悩ませた。
柳も空音が困ってる事に気づき笑おうとしたのだが出来なかった。何故なら彼が笑う前に彼女の手が動いていたから。抱きしめられたからだ。

柳「空音?何をしている?」

『私、いつも蓮二くんにこうやってもらうと元気がでるの。だから蓮二くんの元気がない時は私がこうしてあげる!』

柳「ありがとう」

子供みたいな考えだが自分の為に一生懸命励まそうとしてくれてる空音が柳にはたまらなく愛おしく思えた。自分より遥かに小さい体で抱きしめている彼女に向けいつものような優しい笑顔を見せる柳。その姿に満足したのか空音は満面の笑みを浮かべた。

『少しは元気出た?』

柳「ああ。ありがとう空音。今日は一緒に帰ろうか」

『うん!じゃあ私戻るね』

柳「ああ。また後でな」

もう一度返事をし彼女は自分の教室へと戻って行く。教室へ戻る空音の姿を見やる柳の顔は何処か嬉しそうだった。

「君の元気がないは」
私が抱きしめてあげる。
(何処行ってたのー?)
(蓮二くんと話してた)
(えー!?見たかった…)
(じゃあ次は教えるね)

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今回の題名は、亜依と
柳さんの両方の意味を
いれてみましたはい。
次回は亜依ちゃんの
従兄弟が出てくる予定





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