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どう●つの森パロディ その2
2012/11/13 22:56

きんこーん、と久秀の家のベルが鳴る。この家を訪れるのはどうせあの犬だけだ。
久秀は出迎えることが非常に憂鬱だったが、最近少しこの犬の訪問を楽しみにしている自分に気づきつつあった。

「久秀さあん!」

ドアを開けると間髪いれず創痍が抱きついてきた。毎度お約束ながらもぱちんと指を鳴らして小さな爆発を起こした。すると創痍が飛び退く。

「ひどいよぅ・・!びっくりしたっ」
「挨拶もせずに突然飛びついてくるどこぞの輩がいるからだろう」
「うう・・・」

そう言うと創痍はしゅん、と耳を垂らしてバタバタ振っていたしっぽをおとなしくさせてしまった。その様子に久秀は思わず笑ってしまう。

「ふん、相変わらずわかりやすい奴だな。何をしにきたのだね」
「あ、そうだった!久秀さんにお花をつんできたんだ」

先ほどの爆発からかろうじで守った小さな花束を、創痍は久秀に差し出す。桃色や白、赤と久秀の家には到底似合わない可愛らしい色の花ばかりがつんであった。
受け取って顔をしかめたものの、鼻をくすぐったのは安らぐ花の香り。

「私の家には合わないな」
「そんなこと言わないでよう、どっかに飾って?ね?」

久秀が花を受け取ったことに気をよくして、先程から創痍のしっぽはずっと上下にぱたぱたと振られている。よほど嬉しかったらしい。

「考えておくよ」

創痍にはそう言ったが、彼が帰ったあとに部屋に飾ろうと心の中で思った。彼の好意を受け取るのがどうも恥ずかしい。

「ありがとっ、久秀さん大好きだよ」

にっこりと笑う創痍と目があって、思わず視線をそらした。赤面した顔を見られたくない。

「ねえ久秀さん、俺のつがいになってくれる話考えてくれた?」
「なっ・・・!」

久秀のすきを見計らったのか、創痍はすかさず久秀の手をとってぐっと顔を近づけて言った。驚く久秀をよそに創痍は久秀の額に自分の額を合わせる。一気に距離がつまった。

「その話は、」
「だって俺待てないんだもん、久秀さんとずっと一緒にいたい、好き、大好き」

ぐり、と額を押し付けられた。ばくばくといっそう心臓の音が早くなる。久秀はどうしたらいいか分からなかった。

「久秀さん、」

もう一度名前を呼ばれたかと思うと、創痍の顔が再び近づく、あ、と思った瞬間に久秀は左手の指をすった。


「調子に乗るなっ!この馬鹿犬・・・!」
「ぎゃああああ」

閃光が見えた瞬間、創痍がドアと共に彼方へ吹っ飛ばされていった。また家の修理をしなければならない。自分のこの悪癖をいい加減直さねば、と同時に創痍の言葉を思い出して久秀は再び赤面した。




*ごめんなさい/(^o^)\

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