小ネタ | ナノ


 本当は拍手にするつもりだった遊星さん

ふわりと漂う甘い匂いに、思わず頬が緩む。
運ばれてきたケーキを今まさに口に入れようとした瞬間、名前を呼ばれて顔を上げると、買い物帰りらしく紙袋を持った遊星が立っていた。

「あ、遊星」
「きっ、奇遇だな」
「うん」
「座っても良いか?」
「いいけど?」
「そうか、ありがとう」

断る理由もないので快諾すると、遊星は嬉しそうな表情でいそいそと私の隣の席に腰掛けた。

「…あの、遊星?」
「どうした?」
「隣じゃなくて正面空いてるけど」
「いや、あの席はちょっと…」
「正面空いてるボックス席で隣同士で座ってたら狭いし怪しいでしょ。正面行ってよ」
「しょ、正面だと君と向かい合うことになるだろう」
「そりゃそうだけど」
「そんな…向かい合って見詰め合うなんて……はっ、恥ずかしいじゃないか」
「ごめんやっぱ立ってて」

---
カフェのテラス的なところだと思ってください。そんなこじゃれた店に普段行かないのでボックス席があるのかどうかちょっと疑問だけど←

ほんとは拍手お礼にしようかと思ってたけど他のネタが思いつかなかったのでこっちで



2011/06/09 22:04
[ prev / next ]