7周年記念 「ねぇ、眠りネズミ。何でもない日をお祝いするにはどうすればいいと思う?」 「はぁ? なんだよ、お前はいつも本当に唐突だな!?」 「アリスはいつだって話題提供に事欠かないよね」 「最近思うのよ。何でもないと思える日こそ素晴らしいって!」 「メリーアンバースデーというやつですか」 「そうよそれ! いつだって誰かのお祝いの日なんだし、それをあたしたちがお祝いしてはいけないことはないでしょう?」 「そりゃそうだが、もうすでにオレたちは毎日お茶会して愉快に過ごしてるんだぜ? 今更何をお祝いすりゃいいんだよ」 「それを眠りネズミに聞いてるんじゃない」 「ほら、眠りネズミ。アリスが期待の眼差しで見てるよ?」 「ちょっと、帽子屋。知恵を貸してくれ」 「そう言われても、私はプレゼントを用意することくらいしか思い浮かびません」 「帽子屋の口から『プレゼント』なんて言葉が出てきただけでも上出来だな。あとは、そうだな……おめでたいといったらケーキか?」 「キャロットケーキ!?」 「いつも食べてるもん作ってどうすんだよ! もっと豪華なやつだよ。こうクリームとかイチゴたっぷりな感じの」 「たとえば?」 「だから、こうして生地を混ぜて型に入れて焼いたら重ねて……ん、ちょっと見た目も工夫してチョコレートも混ぜ込むか?」 「で、上からクリームを塗って」 「アリス、これ塗ったというかぶっかけたに近いよ?」 「い、いいのよ可愛いから!」 「その上に小さいホールケーキを載せたらより見栄えが良くなるのでは?」 「帽子屋ナイスアシスト! あとは飴細工とかいいんじゃない? こんな風にさ」 「ねえ、なんで三月ってそんな陽気なキャラなのに器用なの?」 「あ、やべ。イチゴがなかった」 「この間森で見つけた薔薇を飾ればそれらしくなるかしら?」 「あと、残った飴でトランプ作ってみた」 「あとリボンも載せるから待って! あたしの特技を披露させてっ」 「どうやら貴女の特技はいずれも食用には向いていないようですね」 「薔薇といいリボンといい食べられないよ」 「ていうかオレいつの間にかケーキ作り手伝わされてた!?」 「いいのよ、何事も見た目が肝心なのよ!」 「いやうまさだろ……」 「てことで、今日という何でもない日、おめでとう! 今日という誰かのおめでたい日、本当におめでとう!」 「てか、ホントは4月1日にお祝いか何かしたかったんじゃないの?」 「それはまったく別のお話!」* 文*彬/絵*縁 おかげさまで、White Rose Labyrinthは7年目に突入いたしました! 本当に本当に、ありがとうございます。 これまで驚くほどにリアルが忙しくて、なかなか更新できず心苦しかったのですが、やっぱり白薔薇の世界に帰ってきました。このサイトをどう運営していくか模索中ではありますが、どのような形であれ、これからも白薔薇の迷宮の世界をお見せできればと思います。まずはここから。 イラスト、文章共にフリーです。ご自由にお持ち帰りください。 ※ただし、自作発言はお止めください。 今後とも、RuriCanとWhite Rose Labyrinthをよろしくお願いいたします。 |