何でもない日(コピペページ)
｢ねぇ、眠りネズミ。何でもない日をお祝いするにはどうすればいいと思う？」<br />「はぁ？ なんだよ、お前はいつも本当に唐突だな！？」<br />「アリスはいつだって話題提供に事欠かないよね」<br />「最近思うのよ。何でもないと思える日こそ素晴らしいって！」<br />「メリーアンバースデーというやつですか」<br />「そうよそれ！ いつだって誰かのお祝いの日なんだし、それをあたしたちがお祝いしてはいけないことはないでしょう？」<br />「そりゃそうだが、もうすでにオレたちは毎日お茶会して愉快に過ごしてるんだぜ？ 今更何をお祝いすりゃいいんだよ」<br />「それを眠りネズミに聞いてるんじゃない」<br />「ほら、眠りネズミ。アリスが期待の眼差しで見てるよ？」<br />「ちょっと、帽子屋。知恵を貸してくれ」<br />「そう言われても、私はプレゼントを用意することくらいしか思い浮かびません」<br />「帽子屋の口から『プレゼント』なんて言葉が出てきただけでも上出来だな。あとは、そうだな……おめでたいといったらケーキか？」<br />「キャロットケーキ！？」<br />「いつも食べてるもん作ってどうすんだよ！ もっと豪華なやつだよ。こうクリームとかイチゴたっぷりな感じの」<br />「たとえば？」<br />「だから、こうして生地を混ぜて型に入れて焼いたら重ねて……ん、ちょっと見た目も工夫してチョコレートも混ぜ込むか？」<br />「で、上からクリームを塗って」<br />「アリス、これ塗ったというかぶっかけたに近いよ？」<br />「い、いいのよ可愛いから！」<br />「その上に小さいホールケーキを載せたらより見栄えが良くなるのでは？」<br />「帽子屋ナイスアシスト！ あとは飴細工とかいいんじゃない？ こんな風にさ」<br />「ねえ、なんで三月ってそんな陽気なキャラなのに器用なの？」<br />「あ、やべ。イチゴがなかった」<br />「この間森で見つけた薔薇を飾ればそれらしくなるかしら？」<br />「あと、残った飴でトランプ作ってみた」<br />「あとリボンも載せるから待って！ あたしの特技を披露させてっ」<br />「どうやら貴女の特技はいずれも食用には向いていないようですね」<br />「薔薇といいリボンといい食べられないよ」<br />「ていうかオレいつの間にかケーキ作り手伝わされてた！？」<br />「いいのよ、何事も見た目が肝心なのよ！」<br />「いやうまさだろ……」<br /><br />「てことで、今日という何でもない日、おめでとう！ 今日という誰かのおめでたい日、本当におめでとう！」<br />「てか、ホントは４月１日にお祝いか何かしたかったんじゃないの？」<br />「それはまったく別のお話！」<br />
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