それからしばらくは、盗みやスリを繰り返し、その日暮らしの生活が続いた。

依然として二人はファミリーの追っ手に怯えていたが、そんな恐怖心も日ごとに薄れていったように思える。

さて、いつまでこんな生活を続けよう。

今の生活は自由とも安全とも言い難いものだ。このままでは、私は役目を終えて死ぬことができない。

しかし、私達のような孤児を引き取ってくれる人間なんてそうそう居ない。
私達に声を掛けてくる大人達は、子供を売って金を稼ぐような人間だけだ。

今までだって、何人かの大人が声を掛けてきた。
私の容姿はそれなりに整っているらしく、高く売れると踏んだのだろう。わざと付いて行って路地裏に連れ込まれたところを全員返り討ちにして財布ごと奪ってやった。

しかし、この世には馬鹿が溢れかえっている。




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