頭が沸騰しそうで、思わず視線を逸らすと先輩の唇が目に入り、吸い寄せられるように押し付けていた。断りもせずにキスしてしまったことより、求めてやまないその感触は俺を大胆にさせた。
先輩の薄い唇をぬるり、と舐めてみる。先輩がどういう意味でそうしていたのかは知らないけど、自分の唾液で濡れるのってなんか良いななんて思ってしまった。

呑気に思っていた俺に、火が付いたのか先輩は壁に押し付けて俺の唇を下で割り開いた。

「は、ぁう…ふ、んぅ……せんぱ、ぁ、ん…っ」

舌の根っこから引っ張られるように吸い付かれ、また腰の奥がじんじんしてくる。キスのせいでうっかり勃起することも分かってしまい、既に臨戦態勢であるなんて言えない。

「ふ、は…きす、気持ちいいか?」
「ん、ん、…はい、…もっと…して、ください、せんぱい…ぁ、んぅぅ…!」
「かわいー、おねだり……っ」

キスって望めばこんなに与えてくれるものだったのかとぼんやり思う。夜、俺を一人疼かせた濃厚で甘いキスは惜しむことなくもたらされる。くっつけるだけのキスとは違う、恋人のような深いキスは妙に心臓の鼓動を早くさせる。
先輩に繋がれた右手に握り返せば、先輩は息を荒くしてもっとキスを深める。にちゃ、ぬちゅ、と厭らしい音がトイレの中で響き渡り、どんどん熱が上がっていく。お互いに溺れるようなキスをしていた。

ぐい、とひと際身体を寄せた先輩に、勃起した俺のちんこがぐり、と固く押し当てられキスされたまま「ん、んんんぅ…っ」と喘ぐ。
また太ももが、と焦った時、それが同じように熱く固いものだと気づいて思考が止まる。先輩はそんな俺の困惑に気付いて、ずりずりとさらに押し付けてくる。身体の中心から快感の熱が広がり、膝が思わず震える。
ーー先輩のも熱くなっている…?

ほんとに?とのぞき込みたいけど、キスをやめてしまうのも惜しくてうっとりと擦れ合うその快感に溺れる。

「一緒に擦っていいよな」

聞き返す前にベルトに手がかかり、緩んでいく。キスと繋がれた手のせいで碌な抵抗も出来ないまま前を緩められる。湿った前を大きな手がぐちゅ、と音を立てながら包み込んだ瞬間、背筋に電流が走った。

「ひ、ぁ、んぅ…んっ、ぁ、ぁんっ!」

布越しにぐちゅ、ぐちゅと擦り上げられ腰が引き気味になるけど後ろは壁で、逃げようがなかった。でも手はすぐに止まって今度は先輩が自分のを緩めて取り出すと、お互いの下着を下す。ぬるついたのがパンツと糸を引くのが分かった。

そして、ぬるついたお互いのちんこがくっついて先輩の左手がどっちも握る。腰がびくびくびくっと震え、思わず口の中にあった先輩の舌に歯を立てた。一瞬で痛くはなかったと思うけど、まるで慰めるみたいに、よしよしと言うように前の歯をぬるりとなぞられる。

「ぁ、ひ、…ぁ、ああっ」
「お前のちんこもバッキバキじゃん…童貞ちんぽのくせに」
「うぅ、ぁ、ひどい…んぅ、」
「やらしすぎて、誰にも見せたくねー…ほら、これが良いだろ?」
「ん、ふぁあ…っ!……まって、ぁ、くちゅぐちゅしないで、ぁ、ぅぁああっ」

言葉通りに童貞な俺は腰が抜けそうなほどの快感に酔っているみたいにくらくらした。先輩の手は男の気持ちいいところなんてわかりつくしていて、カリのところを指でかしかしと上下に撫でながら裏筋を先輩のさきっぽでずりずりと擦り上げてくる。
慣れた手つきと普段より容赦のない力は生ぬるいオナニーしかしてこなかった俺にはあまりにも激しくて、腰は逃がしたいのに追ってくる指から逃れようと突き出すと、先輩の固いのに擦り上げられ袋小路にはまった。
気持ちよくて、頭がおかしくなりそう…っ

「腰突き出してる…やらしーのな、お前」
「ぁ、ぁ、あ、ぅぅ…だって、ぇ」
「っ、はあ…だって、?」
「ひぁ、あッ!…ん、ふ、気持ちいぃ、からぁ…っ!」
「っ…俺も、余裕ないな…っ」

先っぽからぬるぬると溢れる汁を全体に塗り広げられ、もうどこを擦られても刺激が強くてひたすらにぞくぞくとしてしまう。その上に口は塞がれ、舌で責め立てられ上も下も疼いて全身からどっと汗が溢れる。
先輩の低い声を聞くと心臓が高鳴って、それすらも腰を疼かせる要因になる。

「っは、…白瀬の手も貸して…ほら、こっち」
「ぁ、ぅん、ぁっ…なに、?あ、…ん、ん〜〜〜っ!ぁっ、あっ、いっしょに、ぐちゅ、ぐちゅ、ぁ、んぅぅ…っ」

ぬるついた先輩の手が、俺のだらんと垂れ下がっていた左手を取ってぐちゃぐちゃなちんこのところに導く。どっちも握らせた上に先輩の手が覆ってきて、ぐちゅぐちゅと上下に扱かれ、あまりの快感に指先に力が入らずされるがままになった。

「ぁ、あ゛っ…だめ、ぇ、ぁ」

キスが止んで呼吸をしようと開いた口からは、我慢できない声が飛び出して潤んだ眼のまま縋るように先輩を見上げる。

「イきそうだろ……それとも、やめた方が良い?」

意地悪だ。腰が蕩けて切ないのを分かってそんなことを聞いている。
先輩も余裕がない、くせに…っ。中途半端なまま宙ぶらりんは無理で、俺は先輩の唇にかじりつく寸前に「もっと、して…っ」と囁いた。




男同士のこんな状況はおかしい。ましてや大学構内で。なのにこんな状況を甘んじて受け入れてむしろ深みにはまろうとしていた。
それもこれも、先輩の、せい。だってあのキスを知らなかったら、こんなことにはなってない。

「ん、ひぃ……ぁ、あ…ッ」
「腰抜けそうになってる…座るからこっち、」

洋式便所の蓋を下ろして座った先輩は俺の腰を引き寄せて、抱き上げると膝の上に乗せる。必然的に足を開いて乗り上げる羽目になり、蕩け切ってぐちゃぐちゃに汁にまみれたちんこが目の前に晒される。
先輩より小さいのが露骨に見せつけられ、恥ずかしくなり、うう、と目をつむる。しかもそのちんこがズルむけで血管が浮いていて、太い。俺のなんて生まれたての赤ちゃんのじゃないかって思うほどの経験の違いが目に見えた。

「なに、見てんの」
「先輩の、でかいから…しかも、ズルむけ」
「白瀬のは…まあ、そんなもんだよ。かわいいよ、握りやすいし色白いのにすぐ先っぽピンクになるところも、毛が薄いところも、汁がすごい出るところも」
「は、ぁ!?」

なんだかすごいことを言われて、顔が熱くなる。

「ほら、また一緒に握って。つうか白瀬って手も小さくね、爪も小さいし、その割に綺麗だし。女の子みたいだな」
「う、…き、気にしてるんです、けど…」
「髪もそろそろ切ろよ、前回切ってからだいぶ経ってるだろ」
「なんで、…んぁっ!…しって…ふ、んぅぅ……!」
「なに?つうか、キスしてる時の顔も良いけど、してない時のが全部見れていいな。頬真っ赤にして、目じり下がって、気持ちよくてたまりませんって顔…もっといやらしくなるのが、見てえな」

そう言って完全に勃起したちんこを一層ぐちゅぐちゅと激しく責められ、膝の上で腰が引ける。さんざん虐められ限界も近かったから、強い快感に動揺した。思わずのけ反ったせいで、バランスが崩れて落ちそうになると、先輩は「おっと」と言って引き寄せた。
ぐちゅ、と力が入った途端裏筋が事故でぶつかり合って、何より先端を指先が強く押しながらこすりつけられた。お尻がぞわりと鳥肌を立てながらびくびくっと震える。
うそ……やば、ぁ、いく…!

「ぁ、だめ、ぁ、あ゛っ、ぐちゅって…んっあっあ、あ…あ゛っーーー!でちゃぅ、……いく、っ……ッ!」
「っ、ぁーっ…」

ドプ、と溢れたあと上から先輩の熱いのもかかって、びくびくと背筋をのけぞらせながら絶頂に震える。
先輩もイって流石に顔が赤くて、気持ちよさそうに目を瞑っていた。

「ぁ、ああ、ぅ…っぁ、んぅ」
「はぁ、…やば、きもちよくて、たまんねー……」

余韻にびくびく浸り、はあと熱い息を吐いて床につかない足がふらつく。
なのに、イった直後で強張った身体を先輩は更に引き寄せた。腰と腰がくっついて、ちんこが挟まってそこには先輩の手。身動きが取れなくなって嫌な予感がした。
むちゅ、と唇がくっついたと同時にカリから先っぽを細かくごしごしと擦り始めたのだから。

「ぁ、んぅぅぅーーーっ!」

裏筋が、先輩のちんこに擦り上げられ、精液がぐちゅぐちゅと卑猥な音を響かせながらもみくちゃにされた。あまりの強い快感に手を差し込もうにも、限界までくっついた身体じゃそこまでたどり着かない。先輩の腕に爪を立てるのが精いっぱいで、快感から逃げようにも身動きが出来ず、爪先が地面を引っかくだけだった。

「んぅ、は、ぁ、ん、むぅ…っ、だめ、ん、ぁ、あ!」

足の間ははもうどろどろで、俺は迸る快感に、あまりの気持ちよさに咽び泣くしかなかった。
キスも深く、舌を濃厚に絡められ送り込まれた先輩の唾液をこくりと飲むことしかできない。何もかも抑え込まれ、快感に身をひくつかせる。

「ぁ、あ゛!ーーーーーっ!ん、んぅぅ、ぅううっ!」

気持ちよくて頭が真っ白で、何かが溢れてきそうな快感に苛まれる。
こすりつけられる鼻と貪るような唇。額から流れた汗が落ちて、全身が刺激に敏感になる。
ぐちゅっぐちゅっぬちぃ…っ

「だめ、んぁ、…っ、またでちゃ、ぁ、…んぅ、なんか、でちゃ、せんぱ、ぁ、ん、んぅ…まって、むり、んぅぅぅ」
「はっ、…ほら、出していいから、ん、」
「ぁ、あぁあッ!ちが、うぅん…っ!ゆるし、て、ぇ、ぁ、ああッ…でちゃう、ぅぅ、へん、なの……あっ、ふぁ、」

何かが、精液じゃない何かがせりあがってきて、膝の上で身体がもがく。まるで漏らしてしまうような。
腕にいくら爪を立てても先輩はぐちゅぐちゅと音を立てながら先っぽを激しく責め立てる。快感に目の前がちかちかして、先輩の肩に最後は縋りついた。

「イって、…っ」
「ぁ、あ、んぅ…ッ!……むり、だめ、だめ、ぁ、あ、あ゛ーーーーーっ!」

ぶしゅっぶしゅっと漏れる音が聞こえて、俺は思わず泣いていた。気持ちよさと漏らしたという事実に。なのに先輩は満足げに俺の唇を舐めて、吐息を吹きかける。

「これ、潮だから漏らしてねーの…泣くなって」
「だって…ん、お、俺のちんこ、おかしくなったんだって思って、んぅ…ちょっと、ぁ、…きす、やめ、っ……んぅ」
「そんな寂しいこと言うなよ。…それにおかしくなっても良いじゃん。この童貞ちんぽは俺にしか見せないことにすれば」

それってどういう意味なんだ、と口を開きかけたところを甘くキスで塞がれ、優しい快感に溺れていった。

home/しおりを挟む