身体を引いても、すぐ後ろのアズさんの胸板に押し付けるだけで、胸を突き出しても指がすぐにぬるぬると追ってきて、くちゅくちゅと嫌らしい水音をたてながら、その先をカリカリっと、指で…っ！

「それ、だめっ…かりかり、しないで…っん、んっ！」

そんな単純な動きに、体がのけ反る程の快感を感じていた。
だめって言ったのにアズさんは止める気配どころか、もっといっそ人差し指の動きを速めた。

「これ？」
「だめだって…！あず、さんっ、まっ……は、ぁああッんん！」
「すっげ…痙攣してる」
「ぁ、あぁ…っだめっだめだめだめぇ…ーーッ！」

びくびくびくッーーー！
突き出した胸をローションで揉みくちゃにされて、目の前が一瞬で真っ白になった。絶え間なくはじかれた乳首に衝撃が走ったて、声が出ないまま腰を突き出していた。
全身が強張って、すぐに脱力。怠さと目の前が弾けるような快感が尾を引いた。

嘘…い、イった…ほんとに、乳首でイった。あっという間だった。

「ぁ、あッ……はぁ…」
「ほら、すぐだっただろ？」
「んっ……う、はい…あの……ぬるぬる、しないで下さい…っ」

胸全体を、ローションのついた手で撫で回されるのすら、ぞくぞくしてしまう。いったばかりでさっきよりずっと刺激が強い。いった余韻を引き延ばすようで、はあはあと息が荒くなる。

「気持ち良かっただろ…またしてやろうか？」
「いや、あの……ッーー！」

断る言葉が出る前にもう、尖った先に触れていた。赤くなって熟れたみたいな乳首を根元から押さえつけられる。執拗なほどの責めにちゅぷちゅぷと乳首から音が鳴り、耳から攻めてくる。開いた口から唾液が溢れて、手から、快感から逃げたくて胸を突き出していた。当然逃がしてくれるわけもない。

「んうううッ…だめっ、ダメだって…ぁ、あ、あッホントに…っ、アズさ、ぁんんんッ！」
「エロすぎ…乳首真っ赤になってる」

指がゆっくりゆっくり下から乳首を持ち上げて、ぞくぞく、ぞくぞく、腰の奥が疼いていく。

「いわ、ないで…！あっ……うそっ、まって、またきちゃう、くるっ………いく、いっちゃう、いっちゃう、ぁ、あ、あ゛ッーーーあぁああ゛あッーーーー！ッーーーー！」

力に逆らって乳首がにゅるんと滑った瞬間、悲鳴のような喘ぎが喉から迸る。足も腰も、背中もガクガク震えてどこもかしこもピンと伸ばし切って、全部をアズさんに預けてイった。身体がどっと熱くなって、くたりとした身体をなお、アズさんは容赦なく責め立てるために手を伸ばす。

「腰かくかくしてる…えっろい動き」
「は、ぁぁ…ッ」
「ちんこイってるけど…こっちも触っていい？」
「んぅ……な、に…？」
「聞こえてないじゃん…まあいっか」

ベルトをかちゃかちゃ弄る音のあと、身動きしづらかった前が解放されて少し楽になる、と思ったのに敏感なそこをパンツの上から鷲掴みされた。自分のそれほど大きくないものを白日の下に晒された。

「えっ、あ…っ、」
「べったべたなの見える？これ、乳首でイっただけなのにこんなんになってる」
「ぁ、んっ…うそ…ッぁ、アッ！くちゅくちゅ、しないで、ぇ…っ！」

大きい骨張った手が、俺のべったりと粘ついた白濁まみれのちんこに触れていた。内腿が制御出来ないくらい震えた。今そこ触ったらやばいのにーーっ

ぐぢゅっぐちゅっくちゅっ
ぬりゅっクリクリクリっ

「あ゛ーーーッだめっ、そっち、触んないでっ変になってるっへん、ぁ、あッ！ちんこ、やだぁ…」
「童貞ちんこ敏感じゃん…ここがいい？」
「あッあッ裏のとこ、やめてっ…あ、んっ、ちくびも、ダメっ…一緒に、やんないでぇッ…ーーッあ゛っ！」
「気持ちいいって言ってみ？」
「ん、んん……気持ちいい、から、やめてッアズさん、おねが、ぃ、あ、…あ、あッ！気持ちいいからぁっ、気持ちいいのッ！気持ちいいのやめでッ！」
「かわいいー…」

いくら喚いても責めの手は緩むことなく、快感を与え続ける。そうすればイったばかりでもすぐに勃起していた。
男ならそこを触られれば気持ちいいのは当然で。でもいつも自分がするよりずっとずっと気持ちがよくて、容赦のない快感にぶるぶると震えが止まらなくなる。

「それぇ゛ッ！……だめ゛ッえ、ッーーー！」

2回もイったから、こんなに気持ちがいいのになかなかイけないのがもどかしい。早くいかないと、こんなのがずっと続いたらおかしくなる。
アズさんは大きな手で輪っかを作ってゆっくり扱くのが、もっと早かったらいいのに。もっと、早くしてほしいのに。
かくかく、と腰を振るとその分早く上下される。もう、ちょっと…もうちょっと、だけ。あと、ちょっとでイけるから。
焦る俺の耳元で、ふ、と笑う気配がした。

ぐちゅッ…ぐちゅぐちゅくちゅっぐちゅっ！

「あ゛ーーーッまっ、あ、ぁあ゛！はやっい、とまっ、ぁああアーーーーッ！」
「自分で腰振るとかまじえろえろじゃん…」
「あああ゛っあ゛っ！イ、く、いくっ…また、イっちゃう…っあッ」

乳首も、ちんこも全部もみくちゃにされて、頭をのけぞらせると、横からそのままキスをされる。どこもかしこもおかしくなる。余裕がないのに更に責め立てられ、落ちる寸前だった。
もう、落ちたのかもしれない。
頭をわしゃわしゃと撫でられる感覚と共に、すうっと意識が遠のいた。

◯

「乳首腫れてるの、服擦れて痛くなるかもな」
「こんなにしたのは、アズさんです」
「責め甲斐のある乳首だったからな、仕方ない」

目が覚めると、ちんこも乳首も拭き取られタオルケットが掛けられている状態だった。
アズさんは俺が目が覚めるまでタブレットを見つめていて、俺に気がつくとすぐ頭に手を伸ばしてきた。

「気持ちよかっただろ、乳首」
「う…はい」
「気持ちいって言って、声に出してみ」
「…乳首、きもちいい……」
「……かわいい。ほら、こっち」

寝転がってるところを無理やり起こして、アズさんの膝の上に乗せられる。真っ赤に腫れた乳首を「ふうん」とじっくり眺めたあと、不意に右だけピンっと軽く弾かれる。

「あっ、ん…っ」
「あーあ、こんなに敏感になっちゃって」
「……っ！」
「おいおい泣くなって」

乳首イキなんて変なものに興味を持ったせいでこんなになってしまった乳首。アズさんが触らなくても何かが触れるたびに息を呑んで声を堪えなきゃいけないかもしれない。
俺、男なのに…。

「こんな乳首…」
「女の子に見せられないって？まあ、確かになあ女の子より敏感だし」
「…！」
「まあ女の子に見せないでも何とかなるだろ、俺と付き合えば良いじゃん」
「…はっ…？」
「ここ、気持ちよくしてやるよ、女の軟っこい指じゃなくて俺の指で何度も何度もまたイかしてやるって」

まるで凶悪犯みたいな悪い顔をして言うアズさん。なに、いまなんて言った？そんな都合のいい言葉、あり得るのか…？アズさんの視線は熱を孕んでいて、俺の顔を見て、それから乳首を舐めるみたいに動く。
それだけで腰の奥が熱を持つ。

「いいだろ、なお」

低い声が耳元で響く。それすら感じて「んっ…」と声が出ると、よし、とアズさんが呟いた。
えっ…？

「あの、アズさん…？」
「親切な彼氏がまた乳首でイかしてやるよ」
「…んんっ、…まって、おれ、ッ」

頷いてないのに。それどころかそんな強引な言葉にすら、うれしいと思っていた。恋人、こいびと。何度も心の中で呟いた。すぐにさわさわと動き出した指に、言葉がまとまらないまま、流されてしまう。
多分もうこのアズさんの指からは逃げられないからいっそ流される方が、気持ちいいのかもと、ベッドを爪先でかきながらアズさんのキスに溺れて行った。← →
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