ご飯戦争 (3)

 
 
 
「ああナマエ、ルフィの奴がまたやらかしたんだ」


『こ、こりないね〜』



ウソップから説明を受け、状況を把握するナマエ。



「朝メシ用のスープに手ェ出さなかったのは褒めてやるが…だいたいてめェは!!」


『サッ…サンジ!あたしお腹空いちゃったー!』



ルフィを庇うようにナマエがサンジに話しかける。



「でもナマエちゃん…」

『い…いつもより遠慮してたんだから許してあげようよ』



ナマエはルフィの胸ぐらを掴むサンジの手を外す。



『あああたし、早くサンジの作ったオニオンスープが飲みたーい!』



ナマエはわざとらしくサンジの手を引き、キッチンへ向かう。



「……ん?」






『…え…何?』



サンジはナマエの言葉を聞き逃さなかった。



「おいナマエ、なんで今日のスープ知ってんだァ?」



いつも的外れなルフィが、今日に限って的確な質問。



「サンジ今日のスープはオニオンスープなのか!」



ルフィは目を輝かせる。



「今日のスープは昨日の夜中に作って…誰も知らねェはずなんだが…」



ルフィ以外の視線がナマエに集中する。



「なんでおめェらナマエのこと見てんだ?」

「ちょっと黙ってルフィ。……ねぇナマエ?」



ナミが優しげな声でナマエに話しかける。



しかし、顔は不機嫌そう。



『…は…はい?』



ナマエはタラタラと汗を流しながらナミの方を向く。



「サンジ君が“夜中”に作ったスープの事なんだけど…」



ナミは夜中という部分をより一層強調してナマエに詰め寄る。



『な…何の事だか…』



ナマエはナミから目をそらし、少しずつ後退する。



「うめェ!やっぱサンジの作ったスープうめェな!」

「ルフィ黙ってろ」



いつもは女性に優しいサンジだが、今の笑顔は不機嫌である。



「…ナマエちゃん?」

『…はい?』

「昨日の夜…ルフィと冷蔵庫をあさったのかい?」


 
サンジは額に青筋一本たてたまま笑顔で問い掛ける。



『ちっ違うもん!あたしバレると思ってルフィの後に…』



「ほほう、ルフィの後にあさりに来たって事だな」



『し…しまった!ルフィのせいにする事言っちゃった!』



ナマエは慌てて口を押さえるが、時すでに遅し。



「…自分で全部バラしてるじゃないの」



確信をもったサンジから、徐々に笑顔が消えていく。



「ナマエこのやろォ!!」

『ぎゃァァァァーッ!ごめんなさいィィ!!』



サンジとナマエの鬼ごっこが始まった。



 


 
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