素でいいよ (2)

 
 
 
『あ、おはようございますウソップさん』

「お…おはよう」



ちょうど起きたばかりのウソップに挨拶をするナマエ。



「な…なんじゃありゃ」



ウソップはナマエの態度や服装を見て固まる。



それもそのはず。



いつも追いかけっこして遊んでいるナマエが、いきなりヒラヒラのスカートのお嬢様口調になったのだから。



ナマエの急変はその日だけでは終わらず、一週間も続いていた。



「ナマエー!鬼ごっこやろーぜ!」



船長のルフィがナマエに駆け寄ってきた。



『…ごめんなさいルフィさん。私、今から読書するんです。』

「読書?おまえが?」



さすがのルフィもナマエの急変ぶりに違和感を感じる。



「ナマエ、お前ビョーキじゃねェのか?」

『ふふふ、私は元気ですよ。じゃあ失礼しますね』



このやり取りを見ていたウソップは、思い付いたように歩き出した。



「おいナミ」

「あらウソップじゃない、どうしたの?」



新聞を読んでいたナミが振り返る。しかし、明らかにわざとらしい。



「お前、一体ナマエに何吹き込んだんだよ」

「別にー。ただ、ウソップの村に可愛らしいお嬢様がいたって言ったの」



予想外の内容に、ウソップはぽかんと口が開いている。



「ナマエったら、よっぽどウソップに気に入られたいのね」



ナマエの急変の理由が自分と分かり、顔が赤くなる。



「行ってきたら?」



ウソップはナマエを探して走り出した。



「世話がやける2人ね」



ナミは再び新聞を読み始めた。



 


 
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