『あ、おはようございますウソップさん』
「お…おはよう」
ちょうど起きたばかりのウソップに挨拶をするナマエ。
「な…なんじゃありゃ」
ウソップはナマエの態度や服装を見て固まる。
それもそのはず。
いつも追いかけっこして遊んでいるナマエが、いきなりヒラヒラのスカートのお嬢様口調になったのだから。
ナマエの急変はその日だけでは終わらず、一週間も続いていた。
「ナマエー!鬼ごっこやろーぜ!」
船長のルフィがナマエに駆け寄ってきた。
『…ごめんなさいルフィさん。私、今から読書するんです。』
「読書?おまえが?」
さすがのルフィもナマエの急変ぶりに違和感を感じる。
「ナマエ、お前ビョーキじゃねェのか?」
『ふふふ、私は元気ですよ。じゃあ失礼しますね』
このやり取りを見ていたウソップは、思い付いたように歩き出した。
「おいナミ」
「あらウソップじゃない、どうしたの?」
新聞を読んでいたナミが振り返る。しかし、明らかにわざとらしい。
「お前、一体ナマエに何吹き込んだんだよ」
「別にー。ただ、ウソップの村に可愛らしいお嬢様がいたって言ったの」
予想外の内容に、ウソップはぽかんと口が開いている。
「ナマエったら、よっぽどウソップに気に入られたいのね」
ナマエの急変の理由が自分と分かり、顔が赤くなる。
「行ってきたら?」
ウソップはナマエを探して走り出した。
「世話がやける2人ね」
ナミは再び新聞を読み始めた。