「アイリン様!!」と慌てて入ってくるメイドにアイリンが
「お客様の前ですよ!」と怒ると、メイドは頭を下げるが
「アフドリーク国王が・・・、今入国されまして」と続ける
「何?!ミカエ様が?」
アフドリーク国・・・、聞いたことのない名前の国に首をかしげる
アイリンは私に頭を下げた後、部屋を出て行ってしまう
メイドは暫くの間私に使えるらしい
「アフドリーク国って何処の国なんですか?」
「は、はい・・・、下界の国でございます」
「下界にも国があるんですか?!」
「はい下界といえどすごく広い世界でございますので、国はいくつか
ございます、その中の一つがアフドリーク国でございます」
「下界ってあの町の事をさすんじゃないんだ・・・、」
下界とは塔の外の世界を指していう、私と篠が最初に来た町は
ドドリーという町でそこはイヴァラータが政治を収めているが
基本はドドリーのウイポンさんと言う方が取り締まっているという
だからイヴァラータの軍人などはドドリーには簡単には入れない
イヴァラータの塔から空を飛び東へ向かうとアフィリポア王国の
アフィリポアの塔があるがそこを抜けずっと行くと
アフドリーク国があるという、絶滅されたといわれていた
白竜の神がシンボルの国で主に薬草などが良く取れ
医療系の魔術や漢方などが栄えるという
「その偉い国王様が急に来られたんですか?」
「ええ、シュヴァリエ様のご友人でございまして、たまに
イヴァラータにも来られるのですが・・・、今回は急でして」
ドアがノックされ篠が部屋に入ってくる「もう聞いているみたいだね
さあ行こうか」と言う篠にうなずき部屋を出る
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「急に来るとは珍しいな、ミカエ」
「まあそう言うなシュヴァリエ、タカネが例の客人に
会いたいと言って煩いからな」
「うー・・・、違うのー・・・、私はいつでもいいけどって
ちゃんと言ったのー・・・、」
大きな会議室にシュヴァリエ様
その反対には銀髪の男の人と白い髪の女の子がいた
少女は私を見ると「ノスタージャ・・・?じゃない」と言って
赤色の瞳で私を睨んだ、その瞳が怖く目を逸らす
「失礼、タカネは元々ノスタージャの邪竜なのでな」
「うー、私はノスタージャ様の護身竜なの邪竜じゃないの」
少女が今度は隣の男性を睨むが男性は鼻で笑う
そして「座らないのか」と私と篠を見た
男の顔半分には焼けど痕がありシュヴァリエ様とはまた違う
どこか威圧的なオーラがあった
軍服もイヴァラータ軍とデザインや色が違う
「私は、ミカエ・フォン・アフドリークだ、こっちはタカネ
白竜の生き残りだ、急に来て驚いただろうが今後も会う事に
なるだろう、宜しく頼む」
「うー、タカネは宜しくしたくないの」
「何故だ?」
「彼女からセシリーア女王の臭いがするの、しかもかなり強く
さっきまで会っていたかのような、うー・・・、」
タカネ様の言葉に周りがざわつく、篠もシュヴァリエ様も
私を見ている・・・、違う、確かに昨日の夜会ったけど・・・、
私は・・・、何も知らないのだ・・・、
「花恵・・・?」
「篠・・・、違うの確かにでも・・・、」
「花恵・・・、落ち着いて・・・、」
「私はセシリアに会ったような気もする・・・、イヴァラータに来て
でも・・・、あれはセシリアだったの・・・?」
「女王の魂に会ったのだろう」
シュヴァリエ様は「私も一度お会いしている」と言うと
紅茶を一口飲んだ、シュヴァリエ様が会ったセシリアと
私が会ったセシリアは同じセシリアなんだろうか・・・、と
息を飲み込みシュヴァリエ様を見る
シュヴァリエ様はそんな私の心を読んだのか「同じだ」と微笑んだ
「女王はこの城に思い出を残されている、それは産まれてから
死ぬまでの間のとても大きな思い出だ、その魔力にでも彼女は
中てられたのだろうな、私も王になったばかりの頃に見ている」
あれはセシリアが残した思い出・・・?いや違う
夜に会ったセシリアは確かに本物セシリアだった
でも夢に出てくるセシリアは思い出のセシリアだとしたら
私はセシリアの思い出を見ているという事・・・?
「話は変わるが、私たちが急に来た理由はその少女にある
タカネはこれでも神に仕えていた竜だ、女神が目覚めるとき
この世界の線は揺れ音がなるそれに気づくのが白竜と言われている」
「うー、ミカエの言葉はいちいち毒があるの・・・、
私が神の山でお昼寝していた時線が激しく揺れる音がしたの
それも下界の草原で・・・、それが貴方だとするならば貴方は
神の子としてこの世界に舞い降りたことになる」
「神の子・・・・?」
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