不確かなもの 



「おはよ。」

「よ。」

いつもの公園のいつものベンチに、彼はいた。



「何それ、変だぞ。」

あたしのサングラスを指差し、ちょっと笑う。

「紫外線対策。」

泣いて腫れてるなんて、知られたくない。

「あー、寝過ぎて眠い。」

かったるそうに猫にエサをあげながら、目を擦る。



返信が来たのは、今から1時間ぐらい前。

「ずっと寝てたの?」

「うん。寝溜め?」

何となく居心地の悪さを感じているのは、あたしだけだろうか。






「結婚て、何?」

この空間にあたしは耐えられない。

「へぇ?結婚?…アレだろ、結婚式。」

「いや、意味が分かりません。」

「教会とかウェディングドレス?」

「連想ゲームしてるんじゃありません。」

「いきなり聞かれて、俺も意味が分かりません。」






「言ったクセに!」

あたしは掴みかかる勢いで怒鳴った。

「言ったじゃん!あたしに!!」

「何を?」



目の前が真っ暗になった気がした。

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