泣いたり笑ったり
割れそうに痛い頭を抱え、
腫れて重い瞼をこじ開け、
あたしは朝を迎えた。
意識して、携帯もチェックしない。
どうせメール来てなくて、落胆するだけなんだから。
けど、他の誰かからメール来てるかも知れないし。
見ない訳にはいかない。
決心して携帯を手に取る。
指の隙間からランプが点灯しているのを確認した。
メールか着信か、誰かがあたしにアクセスしたサイン。
その『誰か』を確かめるのが、怖い。
何にも悪い事なんかしていないのに、スゴく怖い。
震える手で画面を見ると、
『新着メール1件』
今度は送信者を確かめるのに、倍の勇気が必要となった。
「違う、絶対違う人!」
心の中で叫び、メールを開いた。
それを見たあたしは、携帯の画面に涙を零してしまった。
『ゴメン 寝てた』
たった1行の、メール。
今のあたしには充分過ぎる。
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