将来への不安
「おはよ〜!」
適当にクラスメイトに声をかけながら、自分の席に着く。
「オハヨ、雪。」
あたしに声をかけて来たのは、親友の瑠乃(リノ)。
「ねぇ、瑠乃。願書どうした?」
「あたし?あたしはやっぱ私立じゃね?頭悪いも〜ん。」
あたし達は中学3年生。
そろそろ、志望の高校を決めなければならない。
「そっか、ウチは私立は無理っぽい。県立って言っても偏差値が…。」
思わず、あたしは机に額を打ち付けた。
「無理って事もないんじゃない?おじさんに言ってみたらいいのに。」
「ダメだよ。これから海にお金かかるんだから。」
海(カイ)とはあたしの弟。現在小学6年生。
ちなみにその下に、4年生の弟と3年生の妹がいる。
4人兄弟の1番上が、あたし。
「エラいぞ、雪!さすが母親代わり!!」
「好きでやってるんじゃないよ。」
早くに母親を亡くしたあたしは、それ以来家事の一切をこなしている。
だから塾に通う暇もないし、部活をやっている暇もない。
スポーツもダメ、勉強も中の下。
高校なんて行けるのかな!?
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目次 表紙
W.A×