いつもの朝
「行って来ま〜す。」
あたしは学校に行くため、いつもと同じ時間に自宅を出た。
「ん?」
道すがら、ゴミ置き場の前に立ち尽くしている男の人の背中とすれ違う。
その足元には、段ボール。
ポリポリと後頭部をかきながら掲示板を見ていた。
「あ、段ボールは資源回収ですよ。今月は第2と第4の土曜日。」
あたしは数歩後ろに戻り、声をかける。
ちょっと驚いた感じでその人は振り向いた。
「へぇっ…?ああ…どうも。」
資源ゴミ回収の日は毎月回覧板で回って来るから、ゴミ置き場の掲示板には書かれていない。
きっと引っ越して来たばっかりで分からなかったんだろうな。
少しだけ良い事をした気になって、足取り軽く学校へ向かった。
時折、冷たい風があたしを通り抜ける。
「マフラー持ってくれば良かった、秋も終わりだな。」
ひとり言をぼやきつつ、早足で校門を過ぎた。
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