時期は、新入生若しくは新入社員が入ってくるこの季節。
あちこちの職場で入社式や新人教育が施される中、ある場所では未だに冬の季節が腰を下ろしておりました。


「先輩〜、今年も無理なんじゃないんですか?」
「いや、今度こそ!今度こそは絶対来る!」


場所は防衛庁、メカゴジラは仁王立ちの体勢を崩さないまま腕組みしながら、しきりに“新人”が来るのを待っていた。
そんな彼の傍らで突っ込みを入れるのは、後輩の機龍。他の隊員は訓練や上司への報告に入っている上に、モゲラは既に宇宙パトロールへ向かっており、故にこうして彼だけがメカゴジラを説得していた。


「そもそも私達の様なゴジラに対抗できる様な巨大ロボットなんて、相当な予算でも注ぎ込まない限りは出てきませんよ。さ、黒木さんからお叱りが来る前に…」
「嫌だ!ガンヘッドとかウツノイクサガミに匹敵するレベルのすっげぇ高機動マシンが出てくるまで、俺は絶対此処を動かねぇ!今日の任務はお前だけで頼む!」

しまいめには自分に与えられた任務をこちらに丸投げする始末。
本来なら目を赤く光らせて咎めたい所なのだが、流石に朝っぱらからエネルギーを無駄にはしたくない。

「…あぁそう、それじゃ一人で頑張って下さ…」

呆れながら踵を返した瞬間、機龍の足が止まった。
自分達から大分離れた所に、やたらとこちらを見ている人影があったからだ。


「ねぇ先輩、あれ……」
「何だよ?」

メカゴジラも機龍が凝視している場所を視線で追う。するとそこには視線に気づいたのか、その影がやや戸惑いがちに立っていた。

「あの人迷子ですかね?」
「只の通りすがりだろ。機龍、一辺見てこい」
「えぇー……」

「俺にはここで新人を待つ義務があるからな」




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