―――応接室。部屋の外で件のロボットを待たせ、自分達は筆記用具と書類を机に置いて、茶の代わりに高級品オイルを特殊湯呑みに注いだ後、やや離れた場所にパイプ椅子を置いた。


「良いんですか?特佐の許可もナシに面接試験なんて……」
「良いに決まってんだろ。まして自分から意志を持って動くロボットなんて、俺達や宇宙製メカゴジラ以外にいなかったんだし」

「そりゃそうですけど……」
「それにあのロボット、訓練させたら多分…」

話している内、ドアが数回かノックされた。どうやら向こうは準備ができたらしい。

「どうぞ」

機龍がそれに応えると、ロボットは緊張しているのかカチコチとした動きで応接室に入ってきた。
この張り詰めた空気の中でも、相変わらずニヤケ面なのが却ってミスマッチで、何だかシュールにも思えてしまう。

そしてロボットは一旦椅子の側に立ち止まると、今度はメカゴジラの「座れ」の一言で改めて席についた。


「えー、改めて君の面接試験を行う訳だが……おれ、否私はメカゴジラ、こちらは機龍だ。宜しく」
「宜しくお願いします」

機龍が軽くお辞儀をすると、ロボットも電子音を立てて深々と会釈した。

「さて、自己紹介をよろしく頼むよ」

ロボットに投げかけながら、メカゴジラは彼から渡された履歴書に目を通す。名前は「ジェットジャガー」と書いてある。


───ジェットジャガー?どっかで聞いた名前だな…

どこだっけ?と思っている中、ジェットジャガーは相変わらず電子音を発しながら、身振り手振りでジェスチャーを始めた。その光景は事情を知らない第三者から見れば、全くの意味不明な踊りに見えたに違いない。
現にも、メカゴジラはその仕草に首をかしげている。


「機龍、あれ何て言ってんだ?」
「“私はジェットジャガー、過去にゴジラと共闘した事がある電子ロボットです。これまで実家で家庭用のお手伝いロボットして働いてきましたが、ここ最近は宇宙怪獣や異次元超獣等が世の中を跋扈する中でこのままではいけないと思い、当部隊へ志願しました”」
「…何で、そこまで解るの?」
「私も“ゴジラ”だからですよ」

それは理由になっているのか?、という言葉を飲み込み、先程ジェットジャガーが述べた経歴を思い返す。
そういえば過去にメガロとガイガンが地上人を殲滅しようと時、ゴジラが来るまで必死に戦っていた…様な気がする。

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