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目を開けると、俺の部屋の和室には朱色が差し込み、もう夕方になっていた。
白鷲のとこから朝帰りして、風呂で黒田に抱かれて、起きたら夕方とか…終わってる。
誰もいない部屋で静まり返る、その静謐さに思わずジワリッと感情が揺れた。


なんか何もかも夢だったみたいだ。


そう思ってごろりっと布団に寝返りをうつと…枕元にくーくーと胸を上下させる黒い蝙蝠がいた!!!

「ひぎゃあああっ」

思わず叫んでしまう俺に、蝙蝠はカッと目を開いて、シュタッと飛び上がる。

「おおうお目覚めですねぇ!いやぁ熱いね!いよぅいいねぇエロス!萌えええぇ!」

ハァハァ言ってくるコイツに殺意が湧いて、目の前の物体を思いっきり殴った俺は悪くない。
綺麗な弧を描いて黒い物体は飛んで行った。
そのまま帰ってくるな、ケッ。

そして俺は和室の端で倒れた蝙蝠を放置して、枕元に置いてあったスマホを開くと、案の上、悪魔からのメールが届いていて中身を確認した。

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悪魔印の18禁ゲーム『ルシファー(笑』

主人公は月影 黒琥。
カラーギャング、ブラック『ルシファー』のヘッド。
艶やかな男前で黒目黒髪。
バリタチなようでいてネコの素質あり。
抱かれると流される(笑
次々と男達を虜にしていく、18禁ゲーム。

ゲームオーバーは主人公の死。
選択肢は分かりやすいようにゲームオーバーはゲームオーバーと記入。
時間が経つと(15秒くらい?)、その時のベスト選択肢が自動で選ばれる初心者に優しいシステムを採用。

主人公は選んだ選択肢の通りに行動する。

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ここまではどうでもいい、人間、諦めが大事だ。

ギリギリとスマホを握りながら俺は次の項目に目を走らせて、絶望した。
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◆主人公淫乱度◆

★★★★★★☆☆☆☆

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「うおおおおおおおおお!!」

そこまで叫んでオレは枕に突っ伏す!
信じらんねぇ!!

「白鷺んとこから★が4個も増えてっるって、どういうことだゴラァ!!
黒田とHしたのは風呂と部屋で2回だけだっ!!
いや、2回だけって嫌だけどっ嫌だけど!!
違くてぇ!!」

オレが言いたいのは、この理不尽への叫びだ!!

「バグってんじゃねぇよぉ!!!」

だが当然ながら、オレの叫びを聞くものはいない。
オレはググッとへし折れた精神を立て直しながら再度メールを読み進める。

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◆攻略キャラクター◆

 <ルシファーSIDE>
NO.2
 上条 春明  H度☆☆☆ 純愛度★☆☆
(色素が薄く亜麻色の瞳と髪。王子様然とした美青年。腹黒。)
NO.3
 柊 冬樹   H度★☆☆ 純愛度☆☆☆
(銀髪、薄藍の瞳。ぶっきら棒な切り込み隊長。)

 <ミカエルSIDE>
ヘッド
 白鷲 蓮   H度★☆☆ 純愛度★☆☆ 
(焦げ茶色の髪と瞳。猛禽のような男前。主人公を長年、意識していたライバル。)

 <月宮SIDE>
???
 ???    H度☆☆☆ 純愛度☆☆☆
(特定の条件を満たして下さい)

<月宮SIDE>
主人公の片腕
 黒田 英滋    H度★★★★ 純愛度★☆☆
(強面男前のヤクザ。出来る男。エロ師。エロ師の力でエロ経験値2倍v)

 <???>
 
???
 ???    H度☆☆☆ 純愛度☆☆☆
(特定の条件を満たして下さい)

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そして俺の疑問はキャラクター紹介欄を見て解けた。
解けたが…一言言いたい。

「そういう大事なことはっ!!最初から書いとけアホンダラ!!あと★って三個までじゃないんだな!!」

俺はただただこの理不尽に耐えるしかなかった。
黒田に抱かれたせいで…腰やら色々、力が入らなかったんです。


オレは結局、起きだすことは出来なかった。


そして夜…黒田は俺の部屋に来て、甲斐甲斐しく食事の世話をしてくれて、すごい甘やかされたんだが。
その後はヤクザもんらしく容赦なかった。
今夜は何もされないだろと思ってたけど…オレが甘かった。

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「アッァァッ」

太くて固い雄にゆっくりと犯される。
丁寧に愛撫され、黒田は俺に犯されることを自覚させるように特に時間をかけて入れてきたように想う。

ヌチュッグチュックチュッ

水音がする、たえずオレが黒田を食んでいる音。
黒田に貫かれれば頭がどろどろに溶ける。

もうオレの精は前戯で絞り出されて一滴も出ないから、黒田に『女』にされた体は吐き出せない熱を空イキで吐きだして、オレはもう何度も『女』としてイッていた。

「ぁんっぁぁ…くろだぁ」

今もオレはずっとイッてて、頭が真っ白のまま騎乗位で黒田を受け入れている。
しかもただの騎乗位でなくて、黒田と正面に向き合うのでなくオレは黒田に背をむけ、背後から貫かれる格好だから、顔が見られなくて不安になりつつ下から突き上げられる。

クチュッとゆるく黒田が中を突く。

「ぁぁっ」

たったそれだけが気持ち良くてキュゥッと黒田を締め付け、オレはのけ反った。

「ぼん、いやらしい躰になりましたねっ」

それも自覚がある分、俺の心は折れそうになる。
身体が調教されて、男が悦び、男を悦ばせるように変わっているのだ。

「いやぁっだぁっぁぁっ黒田がぁっオレをこんなぁぁっ体にぃしたくせにぃっ」

エロ経験値2倍野郎が!!怒

騎乗位で俺を犯しながら、黒田はゆるゆると俺を苛んでいた。
まだ黒田は夜は一回もイッてない。
すごい持久力でオレを調教する黒田のペニスが気持ち良くてヤバイ。
なんて奴だよ、俺も女の子を沢山喰ってきたけど…黒田はヤバい。
レベルがラスボスぐらいだ。
なんのレベルかって?だからエロのだよ!

黒田が俺の言葉に嬉しそうに嗤うのがわかった。

「そうですよっ、ぼんを女にしたのはオレだっ」

そして次の瞬間、黒田は上体を起こしてきた。
グンッとなかのペニスが当たる場所が変わってオレは声もなく喘ぐと、更に黒田は俺の両足を持ち上げて…繋がったまま抱き上げてしまう。

「やあぁっぁぁっだめぇぇっ」

こんな不安定で曝け出され格好で、黒田に繋がったまま数メートルの距離を運ばれた。
そして黒田は部屋に無造作に置かれてた全身の衣装鏡の前に立つ。
するとそこには黒田の赤黒い怒張を美味そうに食べている俺の姿が映し出されたのだ。

ミチミチと黒田を飲み込んで、そこはいやらしく濡れている。
俺の頬は酩酊したように紅潮し、男を悦ばせるように結合部を曝け出している。

これが俺!?

ざわりっと背筋から紛れもない快感が這い出てきて、オレは焦った。
男に支配されてる姿を突きつけられる。
それなのに背徳感がスパイスとなって俺の快楽を煽るのだ。

「やっだぁっくろだぁっぁあんっふぁっ」

「ハッぼんっ俺のを美味そうに食べてますよ?」

ニィッと鏡の向こうで黒田と目があって、男らしく壮絶な色香で俺に笑いかける。
それに胸が鳴るのは気のせいだ、しかも…黒田はオレとのそこを鏡に映して更に怒張を大きくさせる、

あぁオレは今、男に女にされてる。

「あっあっまたぁおおきぃ」

中でグンッと大きくなる性器にオレはただ受け止めるしか出来ない。

「美味いですか?」

チュックチュッグチュッと抱っこされる様に上下に中をすられれば、俺の媚肉はとろとろに溶けて脳髄に抗いがたい絶頂を与える。

「あぁっ美味しいっ黒田っこんなの食べたことないからぁっ」

「じゃあもっともっとオレを食べさせてあげますよ」

グジュッヌチュッとそのまま激しく前立腺を的確に突かれ、オレは黒田に体を預ける。

「あああぁぁっイイっあぁぁっ」

「っつ、ぼんっ種付けしますよっ、見ててくださいっ鏡見ててくださぃっ」

どくどくと脈打つペニスがやっと精を出すんだと思えば、オレはついねだってしまっていた。

「ああっ出してぇっぜんぶっぜんぶ俺の中に出してっ食べさせてっ」

「くぅっ」

男の、黒田の短い呻きと共に、プシャアアッピュルルッヌチュッドクドクッと中に灼熱の精が注がれて、オレの中を隅から隅までたぷたぷに犯してくる。

「ぁっ…ぁぁ…」

鏡のなかで男に全てを犯され、白濁を食べて、イッいる『女』の姿があった。
全て映し出された、堕ちていく姿…黒田の精をポタッと媚肉から滴らせて、オレはもう「男」に戻れないことを悟ったのだ。

「ぼんは俺の女ですよ」

黒田に囁かれる睦言はストンッと俺の胸に堕ちてきたのだ。
…その日からオレはことある毎に黒田に抱かれる「女」になった。

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だがまだゲームは終わらない。
蝙蝠は俺に言ったのだ。

「クリアしないとゲームは続きますよ」と。

「攻略キャラとラブシーンを重ねて、ラブエンド迎えて恋人にならないとゲーム終わりませんよ。」と。

そして…ゲームオーバーは主人公の死。
であるならオレは考えとくべきだったのだ。
BADルートの存在に。

そう、まさかオレ以外で攻略キャラクターが死ぬ場合があるのだと。
それでも、ゲームクリアにはならない、この悪魔のゲームを。

・・・この時のオレは、本当の意味で知らないでいた。





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