想いの始まり

この想いが通じないことがありえるのだと知らなかった…

ただ何もかも初めての感情で…私は君に触れることすら怖かった…そう君の暖かい瞳に私への信頼が映って…それを壊したくなかったんだ…

でも崩壊の日は、あまりに突然で身構えることも出来ない…


鬼の首領が真貴と河原院で逢っていた…

ザアァァァと木陰が揺れている…私は思わずその影に隠れた,だがその鬼は私が見ているのを気付き真貴殿の唇を,やおら奪ったのだ…

ギリギリと臓腑が締め付けられるような痛みが私を襲った…なんの茶番だこれは…

それは私にとって思いもよらないこと…昨日まで確かに私の腕の中で咲いていると想っていた華が今日になって見ると…他の男の腕の中で咲いていた…そういうことだ…

八葉の中では最も真貴殿に近いと想っていた…だから僅かに驕りがあったのは否定出来ない…けれど所詮それも『八葉』の中だけだ…

そして崩壊の日は刻一刻と私に迫っていった…

表には出さない…出せるほど幼くないから…でも心の奥は本当は…焔のように揺れていた…


そう君が私の腕の中に居ないのだと知った時に想い知った…


私は君を愛してる…


だから私は『鬼』になろう…真貴をこの手にするために…


最後に君を手にする…どんな手を使っても…





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