『不意に鮮やかに、君を思い出す・・・』


もしも、いなくなると分かっていたら。

俺は暖かくて美味しい食事と、暖かなお風呂、そしてふかふかの寝床を用意して労っただろう。

もしも、いなくなると分かっていたら。

欲しいと言っていた物を、用意して。
うんと目一杯。
それこそ、うんと甘やかしただろう。

もしも、いなくなると分かっていたら。

いなくなると寂しいのだと、一緒にいて欲しいと、愛していると何回でも伝えただろう。

その存在に感謝していて、何をしなくても良いから、ただ生きていてくれるだけで良いのだと声を大にして伝えただろう。

鮮やかに思い出す。

過ごした日々は辛いこともあった筈で、喧嘩したことも、怒って怒られたことも沢山あった筈なのに。

全部が、全部が宝物になっている。

だから、もう一回出来なかったことを、もう一回やり直せるなら・・・沢山の思い出を作ろうと思うんだ。




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