『何回も恋に堕ちる』


甘いムスクの香り、ルキーノの薫りに脳髄が犯されそうだ。
俺の体はルキーノの欲を感じて女のように痺れる。


力強く、掻き抱かれて。


息が止まりそうだ。


カポである俺の部屋に辿り着くなり、噛み付くように口付けられた。
触れた先から燃え上がるようなルキーノの熱に、心が震える。女みたいに泣きそうになった。

ルキーノは俺の。
最高の男。

口付けながら、ぼんやりと、
間近で見る顔は整っていて、本当に良い男だよな、と思う。

そうだこんな男が今まで俺のことを相手にしていただけでラッキーってもんだろジャンカルロ。
ラッキードッグは伊達じゃないだろう。

舌が重なって、吐息が溶けて、トロトロになる。

「ぅっ、あっ・・・つっ、んっ」

そのココアブラウンの髪をかき上げるように両手を首に回すと、
ルキーノの両手も俺の腰にスルッと回って、その手の平でクッと尻を持ち上げられる。

「っつ」

甘美に震える俺の開いた口にスルッと入り込む舌・・・まるで生き物のように俺の内を犯してゆく。
クチュッ、ピチュッと水音が絶えず響いて、快楽でぞくぞくと俺の体は反応してしまう。
どちらとも付かない唾液が俺の唇の端から零れる。

「おっと、」

すると徐に口付けを止めたルキーノが舌で俺の顎の雫をピチャッと舐めた。

「お前の味がするな」

ニヤッと艶然と笑われて、それに見惚れている俺がいる。
ちくしょっ、格好好すぎる・・・卑怯だ。
こんな風に簡単に俺の心を攫う。

抱き合えば、こうなることは分かっていたのに・・・離れ難くて・・・

最後の夜と分かっているのに、ルキーノに喰われて、堕ちてゆく。

END




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