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津軽はシズちゃんの声で俺にいつも愛を囁く。
朝起きると「臨也、愛してる。」という声がキスと一緒に降ってきて、
朝食は既に出来てる。
「口に合うと良いんだけど」と言って、そっぽを向いて言う津軽に「美味しそうだね」というと、はにかむ様に笑う。

バカみたいに無防備で。津軽には俺が絶対で。
それが・・・つまらなくなった。
絶対のプログラムなんて馬鹿馬鹿しい。
シズちゃんという本人は相変わらず俺を嫌っているし、互いに殺し合いをしているのに。
家に帰ると、シズちゃんと同じ顔と声の津軽が俺に愛を囁いて、俺に体を開いて抱かれている。

なんてシュールなんだろう。

だから俺は最後通告をした。

「君に飽きちゃった」
「えっ?」

瞳を見開いて、呆然とする津軽の顔も単なる機械のプログラムだし、全然楽しくない。
俺の愛する人間なら、絶望の後に何をするか、もっともっと俺を楽しませてくれるのに!

「だからもう要らないってこと」

鈍いなーと言うと津軽の瞳から涙が溢れた。
これも凄いプログラムだよねー、わぉわぉ本物みたいー
少し拍手してみた。

「側にいないで鬱陶しいからさ、俺のところから去ってくれないかな?」

しっしっと手を振ると津軽は「あっ待て、俺、何でもする、だから、俺」とかあたふたしちゃって。うーん、そういう問題じゃないんだよね。

「馬鹿には分からなかったかな?」

絶望の表情、わおっ凄い人間みたいでいいねー

結局、寂しい人間はモノでは心の隙間を埋められないってことが良く分かっただけだった。

END




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