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  貴方の全てをください




派手好き。目立ちたがり。
常にサングラス。
不敵な笑み。特徴的な笑い方。
艶っぽい低中音ボイス。
七武海で一国の国王。
名前の通りにピンクのコート。

誰って、私の恋人。

「ねー若」
「フッ…フフフフ!随分と他人行儀じゃねェか」
「今はお仕事だもの」
「真面目な奴だな」

書類を差し出してよく分からないところを指さすと、スラスラと説明を始めるドフィ。普通の人は滅多に見ることができないだろう、サングラスの中から覗くまつ毛の長い瞳に、不意にキュンとしてしまう。そんな時、徐に目線が私に向いてパチリと目が合うと、「聞いてんのか」と長い指で額を叩かれた。

「き、聞いてるよ」
「ほう?じゃァ、俺が言ったことをもう一度言ってみろ」
「…………ごめんなさい」
「フフフフ…!素直が1番だ」

彼は私には甘い。し、私も、彼には甘い。もう一度書類の説明を始めてくれたドフィの声に、今度は耳を済ませる。心地いい。なんて、思わず思ってしまうけれど、今度は集中しなければと説明を聞き漏らさないようにする。ドフィの説明は凄く分かりやすくて、すぐに理解できた。
ありがとうと顔を上げると、ちゅ、と突然のキス。

「む、」
「フフフ…なんて顔しやがる」
「ビックリしたの」
「まァ…そんな顔も可愛いけどな」

そんなことをいいながら頬に長い指が添えられて、あ、もう一度するんだなと分かる。それに抗う気もないし、むしろ喜びを感じている私は、目を静かに伏せていた。

「おいドフラミンゴ!」
「ッひ!」
「何してたの?2人とも」
「な、ななにもないよ」

もう少しで唇が触れると言った時に、バンとドアが開かれて入ってきたのはローとベビー5。ビックリして思わず立ち上がった私は、絶対に顔が赤い。

「ノックぐらいしろ、2人とも」
「いーだろ別に!」
「私じゃないよ!ローが勝手に開けちゃって」

ごめんなさい、若
そうボソリと呟くベビー5。(かわいい)まさかベビー5がすんなりと謝ると思ってなかったのか、隣でローがタジタジだ。(かわいい)
ドフィは、ため息をついて2人の前にしゃがみこむと頭をガシガシと撫でてから「用はなんだ」と言った。2人があからさまに表情が明るくなったものだから、またそれがかわいい。

ドフィは、…いろいろな噂もあるし、当然、事実として海賊。残虐なことをすることも多い。実際この国は…そうやって手に入れられたものだから。
ただ、私たちファミリーはドフィがただ残虐で悪魔みたいな男ではないと分かっていて。それは、こういう普段からの私たち”ファミリー”への態度があるから。誰より、何より、私たちを大切にしてくれる。…まるで本当の”家族”のように。

「また後でね!」
「べ、別におれはお前が来なくてもいいからな!」
「フッフッフッ!そうかよ」

ベビー5に手を振り返して2人を見送るドフィは、本当の、…父親のようで。

「、あァ?」

何だか私は、ドフィに思わず抱きついた。「随分と可愛いことするじゃねェか」と笑いながら私を抱きしめ返しとくれたドフィ。
もう一度彼を見上げながら、考える。

派手好き。目立ちたがり。
常にサングラス。
不敵な笑み。特徴的な笑い方。
艶っぽい低中音ボイス。
七武海で一国の国王。
名前の通りにピンクのコート。

誰って、私の"自慢の"恋人。

「……ねえ、ドフィ」
「何だ、ニナ」

「愛しているわ」

すり、と体を寄せながらドフィを見上げながら微笑むと、驚いた顔をしたドフィは、すぐに口角を上げて笑いだした。あまりに笑うから、何よ、と言いたくなった時、ふわりと体が宙に浮いた。ドフィの顔を覗き込んで分かる。スイッチを入れてしまったのだと。ドフィに持ち上げられた体は、そのまま部屋の隅にあるベッドに優しく下ろされる。(仕事はもう出来なさそうだ)

「…今日は加減できそうにねェな」
「ふふっ…いつもは加減してくれてるの?」
「フフフ…!いや!…お前を抱くのに、加減なんかできるわけはねェ」

カチャリとサングラスを外した素顔。いつもとは違って余裕の無くなったその瞳を見て下腹部が疼く。早く、ドフィを受け入れたいと。

「加減なんて要らないわ。…ドフィのしたいことを、たくさんして」
「…煽り上手な奴だ。なァ、ニナ」
「本音だもの…」

大切に大切に、と初めは優しく口付けられたけれど、それがどんどんと深く激しいものに変わっていく。今、彼をそうさせることが出来るのは私だけなのだと、優越感と心からの喜びを感じながら、ドフィのしっかりした首に腕を回した。








貴方の全てをください








それだけで心は満たされる




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キリ番リクエスト
ドフラミンゴ甘甘夢でした。
ドフィって、やっぱり難しいなと今回改めて思わされました。ドフィになってますかね…(心配)
リクエストいただいたからにはと、悩みながら執筆してみたのですが、満足いただけるものになっているといいなあと思います。
ローはどうしても出したくなっちゃいますね笑
リクエストありがとうございました!
またよろしくお願いします〜

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