02 私にも友だちができたよ

昼休み。アカデミーのグランドでは、もうすぐ卒業試験という上級生が忍術の修行する人でいっぱいだった。どこを見ても修行、修行、修行。いつも修行なんてしてないじゃん。足掻いてるの?そんなに忍者になりたいの?忍者にならなきゃいけないの?忍者って……なに?
そんな思いは自分が修行しない言い訳にしかならないのに。グランドはあまりにも居心地が悪くて、仕方ないのでアカデミーの屋上へ行くことにした。

誰かいてる?あまり屋上の方には行かないけれど人の気配と話し声が聞こえる。どうしよう教室戻る?でも、教室もきっともうグループの女子たちが私の席で各々お弁当を広げてしまっている頃だと思うし、教室には私の居場所はない。……ここにもあるわけじゃないけれど、


「何してんだよ、」

「っ!」

「屋上来たんだろ?早く来いよ」


屋上のドアの前で悩んで数分。やはりバレていた。気配を消すのは結構得意な方だと思ったんだけど私の思い過ごしだったらしい。
声を掛けられていつまでもこうしている訳にもいかずおずおずとドアを開ける。外の眩しい太陽の光に目を細める。慣れたころに視界に入ったのは同じクラスの奈良くんと秋道くん。意外にも屋上は2人の貸し切りだった様子。
2人なのに私がお邪魔してもいいのだろうか?また、悩んでいると椅子に寝ころんでいた奈良くんがおもむろに起き上がり「来いよ」と、場所を空けてくれた。


「奈良くん…」

「めんどくせーシカマルでいいぜ」

「なまえだよね?僕は秋道チョウジ!僕もチョウジって呼んでよ」


私の噂知らないの?
めんどくさそうな な…シカマルに、にこやかなチョウジ。普通に私を受け入れてくれる2人に驚く。私の知っているアカデミー生…子供は私のことを気持ち悪がるか避けてきた。この2人とは今まで接点がなかったため話したことはなかったけれど、


「はぁ?噂?…んな、めんどくせーもん知るかよ。そんなことよりこっち来て一緒にのほほんとしよーぜ!」

「ほら、ポテチ一つあげる」

「!…あ、ありがとう」


チョウジから受け取ったポテチ。


「ふ、2人は……その、私とと、友だちになってくれる、の?」


勇気を出して言った一言。普段はこんな会話することなく石をぶつけられたりするから。友だちの作り方なんて分からない。だけど、この2人なら……って、思ったの。


「もうなまえと僕たち友だちでしょ?友だちはポテチを分け合うものなんだよ。はい、」

「!そ、そうなの?」

「ったく、めんどくせーけどよ、こうやって一緒にいて落ち着くんだから友だちだろ?」

「うん!!!」


(私にも友だちができたよ)


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