「わぁ、豪華!!」
「はは、クシナの荷物ここでいい?」
「うん。ありがと」
「どういたしまして」
客室は二人部屋だけど思っていたより広くて、床にはなんか装飾の鮮やかな布が敷き詰められていて、カーテンは分厚くてこれまた鮮やかなカーテンだった。
「クシナはどっちのベッド使う?」
部屋の殆どのスペースを占領しているベッド。シーツは真っ白でピシッとしている。
「窓側!」
「了解。じゃあ、俺はこっちね」
いつの間にかスリッパに履き替えていたミナトがベッドに座る。……なんか豪華な家具がミナトの背景にしっくり合っていて、
「ミ、ナト…スリッパ何処にあるの?」
「クローゼットの下に。……クシナ顔が赤いよ?疲れた?」
「っ、ほら、何かホテルって暑いから…!」
「そだね。ちょっと冷房入れる?」
「うん」
ピッピッと、エアコンの調節をしたすミナト。クローゼットの下にあるスリッパに履き替えながら私はバクバクと暴れまくる心臓を必死に落ち着かせていた。
「………大会中とかむりだ」
◇◇◇
時間は過ぎて夕方。窓の外にあった青空は赤く染まっていた。
「やっぱり綺麗だね」
「……ミナト」
相変わらず夕方の空を綺麗だというミナトに私も嬉しくなる。
「もちろんクシナの髪の方が綺麗だけどね」
「/////」
さらさらと私の髪に指を絡ませるミナトの指が心地よくて知らず知らずのうちに私の頭はミナトの胸に凭れかかっていく。
トクン、トクン
トクン
ミナトの心臓の音が聞こえる。
ミナトの心臓の音、速い。ミナトも緊張してるの?
「クシナ…」
「ミナト、」
うわぁ!!!ダメだって!なんかいい雰囲気すぎだってばね!
「あ、」
「……なに?」
ちょっと暗いミナトの声に驚きながらも私は言う。
「お腹空いたね」
「………食べにいこうか?」
ミナトの返事の間が痛かったけど、まぁ、いっか!
レッツ、ディナー♪