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「ミナト、もういいわよ。別に何もなかったんだし…」

「……恐い思いをしただろ?痛い思いもした!」



私が第二体育館に閉じ込める事件が起きて一晩明けた翌日。私から離れないミナトは始終彼らしくなく怒りに震えていた。その怒りの理由が私を思ってということに私は不謹慎ながら嬉しくて仕方がない。だけど、



「ミナトは誰にでも優しいくて、立派だと思う。…けど、」

「え、クシナ……?」

「そういうの辛く思ったりする子だって、いるんだよ?」

「クシナ、君何言って…」

「勘違いしちゃうかもしれないじゃん」

「……その勘違いでいいよ。でも、クシナは変に勘違いしてるよ?」

「え?」

「クシナだから俺は守りたいんだ。傍にいたいんだ。君の……男になりたいんだ!」



ミナトが私の髪を誉めてくれたときから私の中で何か変わっていってた気がしてた。大っ嫌いな髪をミナトが好きだと思ってくれているなら好きになってみようかと思えた。
そして、これはずっと昔から決めてた"私の髪を誉めてくれた男"にだけこの言葉を贈ろうと、



「ミナト、アナタを愛してる」