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教室に入ると丁度予鈴が鳴っ た。まだ、本鈴が鳴るまで5分も ある。教室の生徒の顔は疎らに 揃っていた。ちらりとミナトを 探すと直ぐに見つけられる。今 日も彼はクラスの中心で輝いて いる。 だからといって、ミナトに劣る のは私のプライドが許さない。 勉強だって、運動だって負けた くなんてない。だけど、やっぱ り男と女運動はだんだんと成績 を離されて。勉強だって頑張っ てるのに負けちゃう。

キーンコーン カーンコーン


「席に着かんかー!全くお前た ちは朝からうるさいのォ」


担任である自来也先生が教室に 入ってきた。先生らしくない先 生として生徒に人気がある。私 も自来也先生が好きだ。いつで も明るくて。粋がある大人は少 ない。


「ほれほれ、ミナトの周りにお る奴らそんなに集まりたいなら 儂のところで集まってほしい のォ」


瞬間笑いが起こる教室。私の中 にあったもやもやした気持ちが スッと消える。


「おっとそうじゃった!…ミナ トにクシナ。昼休みは空けとい てくれ、お前たちに手伝っても らいたいことがあるんでのォ」

「はい、分かりました。自来也 先生」

「ん?…どうしたんだ、クシナ用事でもあったか?」

「あ、いえ……」


自来也先生のお手伝いはした い、だけど周りが私を睨む。 と、一人の女生徒が手をあげ口 を開いた。


「先生ー!なんで、ミナトくん と、うずまきが一緒に先生のお 手伝いなんですか?」


途端、そーだそーだと騒がしく なる教室。全て私に対する嫉妬 や妬み。まぁ、それだけでもな いけど。


「クシナは意外と器用なんだ よ?だから自来也先生のお手伝 いなんじゃないかな?」

「あははは、そうじゃのォ。 まぁ単にミナトとクシナがクラ スの一と二の成績というのもあ るんだがのォ」


ミナトのフォローになってない フォローに笑う自来也先生。ミ ナトはそうなんだという顔。
近いようですごく遠いミナトと 私のいつもの朝。