冷やかしの時間
「カルマ―さっきの数学の応用問3なんだけど、」
「来ると思ったよ……なまえこの式使うとこまではいい?」
梅雨も明けて暑さの厳しくなってきたこの頃。苦手な応用問題はこの暑さの中理解するのはなかなか難しい。なので、最近では隣のカルマによく授業後質問して教えてもらっている。同じ授業を受けているはずなのにこの理解力の違い……流石です。
「お前等いつから呼び捨て?てか、そうやって一緒にいるとこみると付き合ってるみたいだな」
「付き合ってるよ」
「は!?」
それまで各々自由に過ごしていたE組のみんなが一斉に私たちの方に振り向く。てか、杉野君も杉野君だけど一番の爆弾発言はカルマ…君だよ。
「もももももちろん先生は気づいていましたよ」
「うそつけよ!」
急に現れた殺せんせーにみんなが一斉に突っ込む。殺せんせーは挙動不審の状態でマッハ20を使ってメモってる。こんなのにマッハ20使うなよ。よし、後で殺ろう。そしてあのメモ帳を抹消する。
「前から仲良かったから全然気づかなかったよ」
「付き合ったの最近、だから…」
「で、どこまで進んでいるのよ」
「な、中村さん…!!」
「そんなこと言えないよねー」
「カエデちゃん!!」
天使だ!天使がここにいます!みんなのゲスい質問の中私を助けてくれる唯一の天使…のはずだった。
「で、デートは?」
「え、してないよ。でも…一緒に帰ったりしてるし、」
「ダメだよ!!!」
「え、ダメ…??」
「デートと言えば…」
遊園地、水族館、映画、カラオケ、公園……。
みんなはうんうんと頷きながら理想のデートプランを勝手に話し出す。カルマに至っては興味なさそうに頭の上で手を組み話を聞いていない。
「私、公園で……」
「ダメ―!!!」
「え、」
「でも、いきなり映画やカラオケもねぇ……」
「やっぱりここは王道の」
「「遊園地/水族館―!!!」」
「バラバラだし、」
結局みんなの理想のデート論を聞かされることになった私は放課後中村さん主催の女子会へ。今日はカルマと帰れそうにありません。
(カルマ…今日一緒に帰れない)
(俺も…)
(え、)
(男子会だってさ、)